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【更新情報】

2016年3月1日掲載:メキシコ:Zacatecas州環境税に対する動きの文章の一部に誤りがありましたので、下記の通り訂正します。
(誤)Grupo Mexico社等の鉱山企業は、憲法20条に反するとして、既にこれらの税金に対する憲法権利保護訴訟(AMPARO)を起こしている。
(正)Grupo Mexico社等の鉱山企業の同制度は、20ヶ所の憲法条文に反する項目があるとして、憲法権利保護訴訟(AMPARO)を起こしている。

掲載日 地域 鉱種 【2017年3月】記事内容
2017年3月24日 中南米 その他

ペルー:Cerro Verde鉱山ストライキ、一時停止後、再度無期限ストライキを開始する見込み

2017年3月21日付け地元紙によると、3月10日に待遇改善等を求める無期限ストライキが開始されたCerro Verde鉱山(Arequipa州)では、労使による対話協議が複数回行われたが、合意に至らず、3月20日現在、ストライキが継続している。なお同鉱山労組のMujica総書記長は、3月23日に一度ストライキを停止した後、翌24日から再度無期限ストライキを開始する方針を示している(筆者注:ペルーにおいては、行政側から違法と認定された2週間を超えるストライキは罰則が適用される)。

2017年3月21日 リマ 迫田昌敏

2017年3月24日 中南米 その他

ペルー:豪雨と土砂崩れによる鉄道不通、精鉱輸送に影響

2017年3月21日付け地元紙によると、豪雨による洪水や土砂崩れがペルー国内各地で発生する中、中央山岳地域とCallao港をつなぐ鉄道が不通となり、一部鉱山の精鉱輸送が制限されている。

同港で貯蔵される精鉱の65%を取り扱うImpala Terminals社のLandeo代表取締役によると、3月15日以降、精鉱の受取量は50%に落ち込んでいるほか、現在同社がストックする精鉱240,000tは同日から30日内に在庫が尽きる見通しとなっている。一部鉱山ではトラックによる代替輸送を実施しているが、道路も雨による影響を被っている。鉄道不通の影響を受けている鉱山企業のうち、Volcan社は不可抗力による精鉱供給の一時中止を発表した。

一方、Buenaventura社のGalvez経営財務部長は、大雨によって出荷品が立ち往生しているほか、今後7~10日間は鉱山での精鉱貯蔵を行う方針を示している。また、交通が復旧しない場合、10日後から重機、燃料、爆薬等の物資が鉱山に供給されず、操業への影響が出始める懸念を示した。

鉄道復旧の見通しについて、Vizcarra副大統領兼運輸通信大臣は、復旧工事実施の前提条件となる降雨量や河川水量の減少には少なくとも15日を要する見通しを明らかにしたほか、陸路による複数の代替ルートを検討していると発言した。一方Tamayoエネルギー鉱山大臣も、鉄道の一部に重大な損傷が発生し、復旧にはしばらくの時間を要するとの見解を明らかにした。

他方、鉱業石油エネルギー協会は、鉄道不通によって中部山岳地域からの精鉱輸送にかかる時間はこれまでの24時間から62時間に延びている一方、Callao港には45日分のストックがあると表明している。

2017年3月21日 リマ 迫田昌敏

2017年3月24日 アジア その他

インドネシア:政府がFreeport Indonesia社に暫定的鉱業事業許可を与える可能性

2017年3月20日付地元メディアによると、エネルギー鉱物資源省はPT Freeport Indonesia(PTFI)社に対して暫定的な特別鉱業事業許可(IUPK)を与えるための大臣令を発行する計画であるという。現地報道では、暫定的なIUPKによりPTFIの銅精鉱輸出が可能となり、更なるレイオフを回避することができる。

2017年1月12日に制定された政令において、5年間の銅精鉱輸出が容認され、輸出の条件として鉱業事業契約からIUPKへの変更、市場連動税率への変更等が科されていた。一方、PTFIは長期的な投資のために鉱業事業契約と同じ固定税率を要求し、政府から拒否されている。同社はこの数か月間の交渉で双方同意に至らなければ、国際調停機関へ提訴する可能性を示唆している。

2017年3月22日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月24日 アジア レアアース

中国:包頭レアアース取引所の取引量増大

安泰科によれば、2017年1~2月の包頭レアアース取引所の取引量は、対前年同期比7.45倍増の1.94万tであった。

過去1年間で、レアアース取引所で取引を行った業者は当初の56社から1,450社に増加し、会員は一般企業9社、仲介企業8社、貿易会員企業121社となった。取引業者が増えたことによって、取引が活性化し、取引額及び取引量も拡大した。

現在、レアアース取引所の現物取引プラットフォームには、酸化ジスプロシウム、酸化ルテチウム、酸化イットリウム、酸化ホルミウム等12種類品目がラインアップされている。レアアース原料の供給確保を促進し、レアアース末端企業に豊富な供給源を提供した。

2017年3月17日 北京 森永正裕

2017年3月24日 アジア レアアース、タングステン

中国:国土資源部「2017年レアアース、タングステン採掘総量規制指標(第1期)の公表に関する通達」を発表

中国国土資源部は、「2017年レアアース、タングステン採掘総量規制指標(第1期)の公表に関する通達」を、以下のように発表した。

内モンゴル、黒竜江、浙江、安徽、福建、江西、山東、河南、湖北、湖南、広東、広西、海南、四川、雲南、陝西、甘粛、青海、新疆等省(自治区)国土資源主管部門。

国内優位資源の保護と合理的利用を図るため、保護性採掘特殊鉱種の管理規定に基づき、2017年には、継続的にレアアース鉱石、タングステン鉱石に対し採掘総量規制を実施することを定める。実情に基づき、2017年はレアアース、タングステン採掘総量規制指標を2回に分けて公表する。

2017年第1期のレアアース鉱石(レアアース酸化物REO)採掘総量規制指標を5万2,500t、そのうち、イオン型希土類鉱石(中・重希土が主要対象)の採掘指標を8,950t、岩鉱型軽希土類鉱石指標を4万3,550tとする。第1期のタングステン精鉱(三酸化タングステン含有量65%)の主要採掘総量を4万5,650t、そのうち主要採掘指標3万6,550t、総合利用指標9,100tとする。

2017年度省(区)レアアース採掘総量規制指標(第1期)
順番 省(区) レアアース酸化物(REO,t)
マグマ由来型鉱床
(軽)
イオン吸着型鉱床
(中・重希土)
1 内モンゴル 29,750  
内訳:包頭鉄鋼(集団)有限責任公司 29,750  
2 福建   1,000
3 江西   4,500
内訳:贛州希土鉱業有限公司(贛州希土集団有限公司)   4,500
4 山東 1,300  
内訳:山東微山湖希土有限公司(中国アルミ業公司) 1,300  
5 湖南   1,000
内訳:五鉱希土江華有限公司(中国五鉱集団公司)   1,000
6 広東   1,100
7 广西   1,250
内訳:中アルミ広西有色崇左希土開発有限公司(中国アルミ業公司)   1,250
8 四川 12,500  
9 雲南   100
合計 43,550 8,950
総計 52,500
2017年度省(区)タングステン採掘総量規制指標(第1期)
順番 省(区) タングステン精鉱
(三酸化タングステン含有量65%,t)
主要採掘 総合利用
1 内モンゴル 500 250
2 黒竜江   550
3 浙江 250 75
4 安徽 600  
5 福建 1,250 200
6 江西 17,525 1,700
7 河南   3,000
8 湖北   150
9 湖南 9,750 2,050
10 広東 1,750 30
11 広西 1,000 500
12 海南   95
13 雲南 2,925 375
14 陝西 50  
15 甘粛 780 75
16 青海 20 50
17 新疆 150  
合計 36,550 9,100
総計 45,650
 

2017年3月17日 北京 森永正裕

2017年3月23日 オセアニア チタン、ジルコン

豪:MZI Resources社、WA州Keysbrookミネラルサンド鉱山から高品質イルメナイトを生産予定

2017年3月13日、MZI Resources社がWA州Keysbrookミネラルサンド鉱山で実施中の詳細なFS(BFS)の過程で、同鉱山から生産されるイルメナイトが極めて不純物が少なく高品質な性状であることが判明したことを地元紙が報じた。同鉱山は白チタン石とジルコンの生産で知られているが、今後はミネラルサンド精鉱からイルメナイトも分離して販売する予定である。

同鉱山はパース市の南70㎞に位置しており、白チタン石の産出が多いことが特徴である。同社は湿式プラントから得られたミネラルサンド精鉱を同鉱山から120㎞の距離に位置するDoral Mineral Sands社のPicton乾式プラントでさらに白チタン石とジルコンに分離している。同鉱山は2015年10月に採掘を、同年11月から白チタン石及びジルコンの生産を、さらに同年12月からジルコン、2016年3月から白チタン石の出荷を開始した。現在、目標としていた白チタン石及びジルコンそれぞれを年間10万tを生産するフル生産操業に近づいている。

2017年3月21日 シドニー 矢島太郎

2017年3月23日 オセアニア リチウム

豪:Albemarle社、WA州Greenbushesリチウム鉱山のリチウム精鉱生産量を倍増するための拡張工事についてTianqi Lithium社と合意

2017年3月16日、豪州最大のリチウム鉱山であるWA州Greenbushesリチウム鉱山を中国Tianqi Lithium社(51%)と共同操業する米国Albemarle社(49%)が、同鉱山のリチウム精鉱生産量を倍増するための拡張工事を実施することについてTianqi Lithium社と合意したことを発表した。

同鉱山は現在8万t/yのリチウム精鉱を生産しており、世界で最も多くのリチウム精鉱を生産するリチウム鉱山であるが、鉱山施設の拡張工事を行うことにより、16万t/yのリチウム精鉱を生産する計画である。拡張工事は2019年の4~6月四半期から着手する予定である。

Albemarle社のリチウム・先端部材部門のJohn Mitchell代表は、「リチウムの需要は今後ますます高まるため、2020年以降に16万5,000t/yの炭酸リチウムを生産する体制を整えていく」とコメントしている。

2017年3月21日 シドニー 矢島太郎

2017年3月22日 中南米

ペルー:La Arena金鉱山とShahuindo金鉱山、2017年生産量見込み

2017年3月9日、Tahoe Resources社(本社バンクーバー)が2016年通期の決算報告を公表し、その中で、ペルー国内で操業するLa Arena鉱山(La Libertad州)とShahuindo鉱山(Cajamarca州)の2017年の金生産見込量を、La Arena鉱山で145~155千oz(約4.5~4.8t)、Shahuindo鉱山で65~85千oz(約2.0~2.6t)と明らかにした。La Arena鉱山の2016年の生産ドーレ中金含有量は204,362oz(約6.36t)で、2016年5月に商業生産を開始したShahuindo鉱山の生産ドーレ中金含有量は48,462oz(約1.51t)だった。

Shahuindo鉱山の粗鉱処理能力を10千tpdから36千tpdに拡張するプロジェクトは2018年中ごろに完成予定であることが公表されているが、同社CEOのRon Clayton氏は、この拡張によりShahuindo鉱山の金生産量は、2019年には年産200千oz(約6.2t)に達するだろうと述べている。

また、同氏は、La Arena鉱山について、2017年9月までに「硫化鉱フェーズプロジェクト」の予備的経済性調査を完成させる予定である一方で、同鉱山のマインライフが採掘4年間+残鉱浸出2年間分で、2017~2021年の年産金量は145~155千oz(約4.5~4.8t)に低下するだろうと語った。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

ペルー:開発金融公社、Ollachea金プロジェクトへの融資を中止

2017年3月10日、Minera IRL社(本社リマ)は、開発金融公社(COFIDE)がOllachea金プロジェクト(Puno州)の開発資金として予定されていた最大240百万US$の融資を中止したことを明らかにした。

融資中止の理由について、COFIDEは、開発銀行としての戦略転換を行い、より社会・経済・環境面でのインパクトの大きなセクターに対する融資を優先することになったためと回答した。今後のCOFIDEの焦点は、現在の政策方針(地域経済の強化)に基づき、投資促進庁その他省庁との調整の結果、インフラ格差の是正や中小企業支援等となる模様である。

その一方で、COFIDEが2015年に、同社に対して実施した70百万US$の融資は現在も有効である。同社関係筋によれば、現在同社は鉱山企業2社から同プロジェクトへの融資を受ける可能性を検討中で、3月末にも合意に至る見通しのほか、プロジェクト規模を縮小し、FSの内容を変更する見通しであるという。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米 その他

ペルー:Southern Copper社、Ilo製精錬所拡張について言及

2017年3月13日付け地元紙によると、Southern Copper社(本社米国)のOscar Gonzalez Rocha社長兼CEOが、同社のIlo製精錬所(Moquegua州)について、社内的に未決定であるものの、1.2百万tから1.8百万tへの年間処理能力の拡張可能性を検討中であると述べた。

投資額は約800百万US$を見込んでいるという。3月17日に環境省が大気に関する新しい環境基準案を発表する予定であることについて、同社長は、現在課せられている二酸化硫黄の日平均値80μg/㎥の基準は、世界で最も厳しい基準であり(筆者注:日平均値80μg/㎥の基準は製錬所などの一部の特別地域を対象とした基準であり、ペルー国内一般地域に課されている20μg/㎥の基準が世界で最も厳しい基準)、国際的基準に準じた基準を提示してくれることを望むと述べたうえで、拡張プロジェクトの社内承認は、発表される環境基準案と、それをクリアする技術レベルに影響を受けると語った。さらに、環境基準をクリアするためには、日本の技術に期待していると付け加えた。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

ペルー:Los Chapitos銅プロジェクト、初期的ボーリング調査開始

2017年3月14日、Camino Minerals社(本社バンクーバー)は、Los Chapitos銅プロジェクト(Arequipa州)において、初期的なボーリング調査(フェーズ1)のための探鉱許可を取得したことを明らかにした。

本プログラムは10孔約2,000~3,000m、1孔当たりの掘削長は150~350mが予定されている。フェーズ1の調査対象は、同プロジェクトのなかの、Adriana鉱化帯とKatty鉱化帯で、これらとは別に、Katty鉱化帯の鉱化トレンド延長にあるVicky鉱化帯と呼ばれる200×400m規模の磁気探査アノマリー領域も含まれる。同社は、この調査は2~3週間以内に完了するだろうと述べている。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米 金、銀

ペルー:La Victoria金銀プロジェクト、2017年4月にボーリング調査開始見込

2017年3月15日付け地元紙によると、Eloro Resources社(本社トロント)は、La Victoria金銀プロジェクト(Ancash州)について、2017年4月に計8,000mのボーリング調査を開始する見込であることを明らかにした。

同社Jim Steel管理アドバイザーは、すでに環境と考古学上の認可は得られており、残る水利上の許可とボーリング調査そのものの許可が得られるのを待っていると述べた。4月に開始されれば、結果は7~8月に得られるものとみられている。現時点の主なターゲットは、貫入岩中の鉱化変質帯であるRufina酸化鉱帯と、貫入岩から約75m範囲の堆積岩中のSan Marquito鉱化帯の2ヶ所。地表サンプリングにおいて、酸化鉱でAu 46g/t、堆積岩中の硫化鉱でAu 63g/tの鉱徴が得られている。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米 その他

ペルー:2017年2月の鉱産物生産量

2017年3月15日、エネルギー鉱山省鉱業総局は、2017年1月の鉱産物生産量を発表した。銅、亜鉛、鉄鉱石、錫の各生産が、前年同月比で伸びている。

  • 銅について、鉱山別では、第1位Cerro Verde鉱山43,114t、第2位Las Bambas鉱山39,072t、第3位Antamina鉱山35,233t、第4位Antapaccay鉱山14,289t、第5位Cuajone鉱山14,247t、第6位Toromocho鉱山13,700t、第7位Toquepala鉱山11,255t、第8位Constancia鉱山8,367tの順。
  • 亜鉛について、Antamina鉱山、Milpo社及びEl Brocal社の増産により、前年同月比で11.3%伸びている。
  • 錫についても、ペルー唯一の生産者Minsur社の増産により、前年同月比で18.1%伸びている。
  • 鉄鉱石についても、ペルー唯一の生産者Shougang Hierro Perú社の増産により、前年同月比で6.5%伸びている。
  • 金について、ペルー最大の生産者Yanacocha鉱山は2017年減産を見込み、全体でも前年同月比1.3%減。
  • 銀について、大手生産者Buenaventura社とVolcan社が2017年減産を見込み、全体でも前年同月比0.8%減。
鉱種 単位 1月
2016 2017 増減
2017/2016
(t) 157,317 196,317 24.79%
(g) 12,261,107 12,101,141 -1.30%
亜鉛 (t) 102,351 113,955 11.34%
(㎏) 334,005 331,286 -0.81%
(t) 25,800 24,886 -3.54%
(t) 696,399 741,373 6.46%
(t) 1,189 1,404 18.08%
モリブデン (t) 1,983 1,915 -3.39%
タングステン (t) 0 0 -99.19%
 

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米 銅、銀

ペルー:Tartisan Resources社、Ichuña銅銀プロジェクトを買収へ

2017年3月16日、Tartisan Resources社(本社トロント)は、Duran Ventures社(本社トロント)が所有するIchuña銅銀プロジェクト(Moquegua州)の買収に向けたLOIに署名したと発表した。

LOIによれば、Tartisan Resources社は、5月17日までに、5万C$(約3.8万US$)の現金支払いと普通株式50万株をDuran Ventures社向けに発行し、5,000mのボーリング調査やNI43-101ベースの鉱物資源量見積もり完成などを含む、両者合意の一定時点でさらに普通株式50万株をDuran Ventures社向けに発行することで、同プロジェクトの100%権益を取得できる。Duran Ventures社側は、2%のNSRロイヤルティを保持し、Tartisan Resources社側はその半分を50万US$で買い戻す権利を有する。

Duran Ventures社は、2017年2月22日、Don Pancho銀鉛亜鉛プロジェクト(Lima州)も、Tartisan Resouces社に、現金5万C$(約3.8万US$)とTartisan株式50万株で売却する意向を明らかにしている。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

ペルー:Barrick Gold社がLagunas Norte鉱山の売却を検討

2017年3月17日付けの複数の地元紙は、Lagunas Norte鉱山(La Libertad州)を100%所有するBarrick Gold社(本社トロント)が、少なくとも権益の50%を維持しつつ同鉱山の権益の一部売却、全部売却、もしくはJVパートナーの追加を検討中であると報じた。

2017年2月、同社は、同鉱山の2016年通年生産量が435千oz(約13.5t)と、前年の560千oz(約17.4t)から約22%減産となり、2008年の生産量ピーク1,175千oz(約36.5t)から減産が8年連続していることを発表した。同鉱山では、現在の露天掘り酸化鉱鉱体の下にある耐火原料を採掘することにより、鉱山の寿命を延ばす640百万US$のプロジェクトのプレFS作業中である。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米 銅、金

ペルー:Arikepay銅金プロジェクト、ボーリング調査結果報告

2017年3月17日、Candente Copper社(本社バンクーバー)は、オプション契約相手方であるCompania Minera Zahena SAC社(本社ペルー)が、Arikepay銅金プロジェクト(Arequipa州)において、6孔計3,813mのボーリング調査を終了し、Cu 0.1~0.2%、Au 0.1~0.5g/t、Ag 1~4g/tの品位の分析結果が得られたことを明らかにした。

同プロジェクトは、平面的に1,200×700mの広さと、少なくとも300mの深さを有するポーフィリーシステムであることは2012年までのCandente Copper社の探鉱で明らかにされたものの、300mより深い領域は未探鉱で、1孔あたり掘進長600~800mが計画されている。Compania Minera Zahena SAC社は、2013年12月のオプション契約で、同プロジェクトに対する100%権益を取得する権利を認められている。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

コロンビア:Segovia金鉱山の探査成果報告

2017年3月13日、Gran Colombia Gold社(本社トロント)は、Segovia金鉱山(Antioquia県)で2016年に実施された74孔9,472mのインフィルボーリング結果を報告した。

同社プレスリリースによると、Providencia脈において0.73m間でAu 134.6g/tとAg 95.4g/t、Sandra K脈において2.05m間でAu 43.2g/tとAg 37.5g/t、Marmato鉱床において、8.98m間でAu 20.99g/tとAg 7.11g/tや50.40m間でAu 2.20g/tとAg 3.32g/tなどの鉱徴が捕捉されたという。

これらの結果から同社では、Providencia脈とSandra K脈を含む同鉱山の鉱物資源量の更新を2017年3月末までに、また、Marmato鉱床の鉱物資源量の更新を2017年第2四半期中に終えたいと述べている。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

コロンビア:Miraflores金プロジェクト、資源量更新

2017年3月14日、Metminco社(本社豪州)は、Miraflores金プロジェクト(Risaralda県)のJORCコード(2012)に基づく鉱物資源量を更新した。

同社プレスリリースによると、精測カテゴリ2.95百万t(Au 2.98g/t、Ag 2.5g/t)、概測カテゴリ6.31百万t(Au 2.74g/t、Ag 2.9g/t)、予測カテゴリ0.49百万t(Au 2.36g/t、Ag 3.6g/t)。前回2016年7月時点より、精測+概測カテゴリで約8千oz(約250㎏)の、また予測カテゴリで約29千oz(約900㎏)の金量増となっている。

今回の更新は、73孔25,884mのボーリング結果と236mの坑内チャネルサンプリングの結果から、Au1.2g/tのカットオフ品位を用いて計算された。同社では、2017年5月末までにFSを、また2017年末までにEIAの提出を完了させる予定だと述べている。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

コロンビア:IAMGOLD社、Antares金プロジェクト参入へ

2017年3月15日、Miranda Gold社(本社カナダ)は、IAMGOLD社(本社トロント)に対し、Antares金プロジェクト(Antioquia県)の権益について、最大75%まで獲得できるオプションを付与すると発表した。

IAMGOLD社は、4年間で少なくとも3,000mのボーリング調査を実施し、5百万US$の探鉱資金を調達することで、同プロジェクトの51%の権益を取得する。さらに、引き続く4年間で、少なくとも12,000mのボーリング調査を実施し、7百万US$の探鉱資金を調達することで、同プロジェクトの65%の権益を取得するオプションを有する。そのうえで、さらに鉱山建設資金を提供することによって75%の権益が付与される。

同プロジェクトは、面積10,500haのグラスルーツ案件。2016年11月、Miranda Gold社は同プロジェクトに関しパートナーを募集していることを明らかにしていた。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

コロンビア:IAMGOLD社、Zancudo金プロジェクト参入へ

2017年3月16日、Gran Colombia Gold社(本社トロント)は、IAMGOLD社(本社トロント)と、Zancudo金プロジェクト(Antioquia県)に関するJV契約を締結したことを発表した。契約によれば、IAMGOLD社は、6年間で10百万US$の探鉱資金を投じることによって、同プロジェクトの65%の権益を取得するオプションを得た。さらにFSを完成させることにより、同権益を70%まで増やすことができる。

同プロジェクトについて、2012年6月のGran Colombia Gold社のボーリング調査結果報告によると、2m間でAu 40.76g/tとAg 241g/t、0.6m間でAu 49.4g/tとAg 804g/tの着鉱が特筆される。

2017年3月17日 リマ 迫田昌敏

2017年3月22日 中南米

ニカラグア:加B2Gold社がニカラグアに保有する鉱山の生産コスト、減少

2017年3月16日付け業界紙によると、加B2Gold(本社:バンクーバー)社がニカラグアに保有する鉱山の生産コストが減少していることが明らかになった。

同社が中米で最大級のLa Libertad鉱山の2016年の全維持コスト(金:AISC)は904US$/ozとなり、2015年の同988US$/ozから大きく削減した。Jabalí Antennaピットの作業が遅れていた問題が解決し、設備投資額が減少したことがコスト削減を促進した。なお、同社は2017年の同鉱山金生産量を110,000~120,000oz、AISCを785~815US$と見込んでいる。

また、El Limón鉱山の2016年AISCは、当初予算計画において設定していた1,008US$/ozを上回ったものの、2015年1,279US$/ozから1,189US$に減少した。なお、2017年は同鉱山金生産量を50,000~60,000oz、AISCを1,065~1,095US$/ozと見込んでいる。

2017年3月20日 メキシコ 森元英樹

2017年3月22日 中南米 その他

エルサルバドル:鉱業禁止法の審議が開催される見込み

2017年3月15日付け業界紙によると、エルサルバドルにおける金属鉱山開発禁止の動きは政府レベルで進められており、環境、社会、地域グループの鉱山開発禁止要求は大統領にも伝えられている。

大統領府のHPには、高いレベルの水質汚染を発生させる可能性のある鉱山開発が経済活動の1つであると考えることは、不適切であり、不用且つ軽率な考えである旨の大統領コメントが掲載されている。なお、2014年、Sánchez大統領は鉱山活動の禁止を公言し、経済省も賛同している。

また、エルサルバドル議会の環境・気候変動委員会は、近く、鉱山禁止法案の審議を行う予定であるが、非金属鉱業である採石業は同法案が国会を通過しても鉱業法の下、認められることとなる。最後に、2016年、豪OceanaGold社は、エルサルバドル政府が承認したEl Dorado金・銀鉱山の鉱業権取消を不服として、投資紛争解決国際センター(ICSID)に同取消措置の仲裁請求を起こしていた。

2017年3月20日 メキシコ 森元英樹

2017年3月22日 中南米

メキシコ:Minaurum Gold社、Sonora州La Quinteraプロジェクトにおいて高品位銀鉱脈を発見

2017年3月17日付け業界紙によると、Minaurum Gold社は、同社がSonora州で開発中のLa QuinteraプロジェクトにおいてAmalia及びNueva Europa鉱脈を発見したと発表した。

Nueva Europaでは銀3,120g/t、Amaliaでは金14.7g/t、銀346g/tが捕捉されている。Nueva Europaは、La QuinteraプロジェクトLA Quintera-Promontorio高品位鉱床西500mに位置し、地質的連続性があると推定されている。

同社幹部は同鉱脈の新たな探鉱の可能性を示唆し、同社関係社は今回の探鉱プロジェクトの結果に満足するとともに、銀200百万ozを生産するLa Quintera-Promontorio周辺地域にある2つの鉱脈は同地域銀生産の潜在性を高めるものとなる可能性があると述べた。

2017年3月20日 メキシコ 森元英樹

2017年3月22日 中南米 金、銀

メキシコ:加Endeavour Silver社、Terronera金・銀プロジェクトにおいて高品位金・銀鉱脈の発見が続く

2017年3月16日付け業界紙によると、加Endeavour Silver社(本社:バンクーバー)は、同社がJalisco州に保有するTerronera金・銀プロジェクトにおいて発見したTerronera鉱脈とLa Luz鉱脈において高品位の金・銀鉱化作用の拡張が継続していることを明らかにした。

Terronera鉱脈において実施したボーリング調査では、同鉱脈下部が南東方向に拡張していることを確認した。同調査の結果として、地表下419.15m地点において着鉱幅16.3m、平均品位金1.8g/t及び銀230g/t、423.35m地点において着鉱幅0.3m、平均品位金8.9g/t及び銀4,490g/tを捕捉している。

また、Terronera鉱脈から北東約2.2㎞に位置するLa Luz鉱脈におけるボーリング調査では、延長方向500m及び地表下100m以深250m間にかけて高品位の新たな鉱化作用を捕捉しており、同社幹部は、La Luz鉱脈はTerronera鉱脈と比較して着鉱幅は狭いが、品位の高い金鉱脈であり地表近くに賦存すると強調した。

2017年3月20日 メキシコ 森元英樹

2017年3月22日 中南米 リチウム

メキシコ:加One World Minerals社、Lithium Investments社のリチウムプロジェクトを買収

2017年3月14日付け業界紙によると、加One World Minerals社(本社:バンクーバー)は、Lithium Investments(LIL)社の全株式買収に係る覚書に署名した。

LIL社はBaja California州にリチウム鉱区(75,410ha)を保有している。LIL社によって実施されたサンプル採取調査によると同鉱区北部において53~188ppm、南部において平均品位74ppmのリチウムを捕捉しており、また、同調査は地表面が塩で覆われたサイトの浅い地点(ハンドオーガーボーリング)から採取され、深部まで鉱化作用が継続している可能性を示唆している。更に、両地区の両端においてカリウム、ホウ素も確認されている。

同鉱区は、Baja California州San Filipe町から21マイルに位置し、居住施設、労働力を十分確保できる地域にある。契約では、One World Minerals社は22.5百万普通株式を譲渡し、3年以内に1百万C$を段階的に支払うこととなる。

2017年3月20日 メキシコ 森元英樹

2017年3月22日 中南米 その他

メキシコ:加Primero Mining社、労組側と労働協調契約に係る交渉を再開

2017年3月15日付け業界紙によると、加Primero Mining社(本社;トロント)は、3月16日から同社がDurango州に保有するSan Dimas鉱山において1ヶ月以上継続されている労組ストライキを収束させるため、労組側トップとの交渉を再開させる可能性があることを明らかにした。

同鉱山では、約1,000人のメキシコ全国鉱夫・冶金・鉄鋼労組(SNTMMSSRM)に加盟する労働者が労働協調契約に係る労使交渉決裂によりストライキ権を行使している。Primero Mining社は、労働者の賞与カットではなく、生産効率化に向けた人員削減を行い、キャッシュフローの回復を目指していたことから交渉は決裂した経緯がある。同社幹部のコメントは以下のとおり。

  • 同鉱山を再び収益性の高い鉱山にする必要がある。労組側との隔たりは相当であったが、計画の大幅な変更が必要であるとしても、労組側へのアプローチを開始する。鉱山の生産とコストは、人員不足等による影響を大きく受けた。2016年の金生産量は、2015年の4.7tから2.9tに大きく減少し、直接コストも2015年の559US$/ozから856US$/ozへと高騰している。
  • 当初計画していた28の鉱脈は収益性が高くないことから、ストライキ終了後は作業の簡素化を図る必要がある。鉱山の収益性を高めるためには、収益性の高い地点に集中させる必要がある。操業調整、生産性向上、コスト削減をとおし事業の黒字化を図るため、収益性の低い鉱脈を開発から除外する必要があると考えている。
  • Silver Wheaton社との契約について税務当局SATとの紛争解決を進めるためメキシコ政府との対話を継続している。

2017年3月20日 メキシコ 森元英樹

2017年3月22日 中南米

メキシコ:2016年メキシコ金鉱山の生産コスト、前年比減を記録

2017年3月15日付け業界紙によると、2016年のメキシコ金鉱山の生産コストは、為替、燃料価格の下落により低下した。以下に、メキシコで操業中の16鉱山のデータを取りまとめる。

2016年の平均直接コストは、2015年の631US$/ozから5.4%減の597US$/ozであった。500US$/oz未満となった鉱山には、Cienega多金属鉱山(Fresnillo社)がドル高ペソ安、ディーゼル及び電気コスト削減により2015年の245US$/ozから217US$/ozへと減少、Pinos Altos鉱山は356US$/oz、La India鉱山は395US$/oz、La Herradura鉱山は471US$/oz、そしてPeñasquito鉱山(加Goldcorp社)は483US$/ozという結果がある。

また、現在Leagold Mining社への売却プロセス下にあるLos Filos鉱山(加Goldcorp社)のコストは766US$/ozであった。なお、公表されている8鉱山の2017年のデータを集計すると平均直接コストは765US$/ozであった。

2017年3月20日 メキシコ 森元英樹

2017年3月22日 欧州・CIS

ロシア:ザバイカリエ地方とBaikal Mining Company(BMC)の協力が新たなレベルへ

2017年3月15日付の地元報道等によると、ザバイカリエ地方のナタリア・ジダノワ知事、同地方カラル地区のパーヴェル・ロマノフ地区長及びBaikal Mining Company(BMC)のユーリー・リャボフ社長は、新たな社会経済協力協定に調印した。この調印は、ロシア産業家企業家連盟においてザバイカリエ地方による行事「開かれた対話-開かれた地域」の一環として、Udokan銅鉱床開発プロジェクトが新たな段階に入ったことによる。

この協定で特に重点が置かれたのは、Udokan銅鉱床開発における地域労働力の最大活用、プロジェクト実施関連の雇用に向けたザバイカリエ地方住民の人材育成及び再教育である。BMCのリャボフ社長は、この協定調印はUdokanプロジェクト成功の重要な手段であると述べた。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS その他

ロシア:Norilsk Nickel社、2016年度決算を発表

2017年3月15日付の地元報道等によると、2016年における鉱業製錬大手Norilsk Nickel社は、2016年のEBITDAは前年(50%)比で3ポイント減の47%となり、BHP Billiton(54%)に次ぐ業界第2位となり、収益率で世界一の地位を失った。

Norilsk Nickel社のポターニン氏は、「市場関係者にとって2016年は、金属価格が最低レベルまで下落したことに加え、価格と為替レートが極めて不安定な年であり、当社の財務実績もその影響を免れ得なかった」とコメントしている。同社によると、収益率低下の原因は、価格下落とニッケルプラント閉鎖に伴う事業所近代化による生産減少である。旧式化したプラントの停止による生産減少は在庫品売却により一部補填された。

なお、BHP BillitonのEBITDAについては、2016年の原料炭・燃料炭の価格高騰の好影響でBHP Billitonの石炭事業による収益率が上がったこともある。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS その他

ロシア:UMMC、生産拡大に年間10億US$支出へ

2017年3月6日付の地元報道等によると、Ural Mining and Metallurgical Company(UMMC)のコジツィンCEOは、同社は生産拡大向けに毎年10億US$を投資する意向である。銅の年産量(現在35万t)を今後3~5年で37~38万tに回復させることなどに資金が投じられる。追加選鉱、有望鉱床の開発、尾鉱処理により生産の拡大を実現する。

同社のコジツィンCEOによると、UMMCは株式や債券を発行する予定はなく、非上場企業としてロシアの銀行からの借入によって資金調達を行う。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS タングステン、モリブデン

ロシア:Tyrnyauzsky採鉱選鉱コンビナート、2022年には操業再開へ

2017年3月1日付の地元報道等によると、Tyrnyauzskoeタングステン・モリブデン鉱床(カバルダ・バルカル共和国)は、2022年に開発の再開が予定されている。

プロジェクト投資額は約190億ルーブル、鉱床開発期間は約25年である。作成中のプロジェクト案では、鉱山(鉱石年産200万t)、選鉱プラント(タングステン精鉱・モリブデン精鉱・銅精鉱年産1万3,000t)、湿式製錬プラント(無水タングステン酸年産6,000t)から成る生産チェーンの構築が予定されている。

2017年に鉱床の地下資源利用権の入札が行われる予定である。プロジェクト文書と実施スキームの作成は2018~2019年に予定されており、その完了後にインフラ及びコンビナート本体の建設を開始する。2022年に建設完了及び操業開始、2024年にはフル操業化を予定している。

Tyrnyauzsky採鉱選鉱コンビナートは1940年に操業を開始し、企業城下町(ティルヌィアウズ市)を形成しているが、2000年代初頭に操業を停止していた。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS アルミニウム

ロシア:ロシア産業貿易省、アルミニウム業界の国際組織設立を提案

2017年3月1日付の地元報道等によると、ロシアのマントゥロフ産業貿易大臣は、ロシア連邦ソチで開催された2017年投資フォーラムにおける非公式な会見で、ロシアはアルミニウム業界でOPEC型の国際組織を設立することを提案すると述べた。

マントゥロフ大臣は、「今のところ提案段階であるが、この組織はOPEC同様、国家の直接参加、政府代表、特に関連部門における閣僚の参加により機能することが望ましい。第一段階としては連合のような形でも十分である。重要なのは、一次アルミニウムの主要生産者・輸出者である全ての国家が、規格及び技術分野において統一政策の原則を合意することにある」と述べ、特に中国における環境に有害なアルミニウム生産技術の利用問題に言及した。

この組織は、アルミニウムの高度加工、過剰生産防止をはじめ、新技術・新規格の導入や新規生産能力開発プログラムの調整に影響を及ぼすグローバルな問題に取り組むことになる。組織のステータスとしては協議機関のようなものが考えられるが、マントゥロフ大臣は、組織が発展する過程で、規制機関としての一定の機能を持つ可能性を否定しなかった。同大臣によると、組織にはロシア、中国、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタール、サウジアラビアが加盟することが考えられるとしている。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS

ロシア:Uralelectromed社、2017年は銅電解プラント第二フェーズ建設に27億ルーブル投資へ

2017年2月27日付の地元報道等によると、Uralelectromed社(UMMC社傘下)は、2014年から実施している銅電解プラント第二フェーズ建設プロジェクトに対して、2017年に27億ルーブル(RUB)を投資する。

このプロジェクトの第一フェーズ建設には44億RUB以上が投資され、2012年に操業を開始しており、プラントの生産能力は計画能力(銅カソード15万t)を上回っている。現在、プラントの電気施設・補助施設の建設、狭軌鉄道の建設、熱回収型全体換気設備の設置が行われており、2017年には全ての熱・電力システム及び生産設備の設置が予定されている。今後の第二フェーズの操業開始により、パーマネントカソード方式による銅カソードの年産能力は32万tに拡大する見込みである。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS ニッケル

ロシア:Ufaleynickel社の操業停止に伴い、Norilsk Nickel社がロシア唯一のニッケル生産企業に

2017年2月28日付の地元報道等によると、Ufaleynickel社(チェリャビンスク州)が2017年4月1日以降に無期限操業停止に入る。これに伴い、Norilsk Nickel社がロシアで唯一のニッケル生産企業となる。

Ufaleynickel社はチェリャビンスク州で企業城下町を形成し、ニッケル年産能力は1万5,000tである。こうした中で、Ufaleynickel社の操業停止は、安定操業と期日通りの債務返済が不可能なレベルまで製品価格が下落したことによるものである。

2017年2月に生産施設の3分の1を停止し、労働者の一部を強制的に休暇入りさせたが、4月からは、全従業員2,000人に賃金の3分の2支給を伴う休暇入りを求めることになる。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS その他

カザフスタン:Rio Tinto、カザフスタンの地質調査に大規模投資の意向

2017年3月14日付の地元報道等によると、2017年3月5~8日にトロントで開催されたProspectors & Developers Association of Canada(PDAC)の国際鉱業フォーラムにおいて、カザフスタン投資・発展省のチムール・トクタバエフ次官とRio Tintoのデーヴ・アンドリュース地質調査部長及びケン・テイントン・アフリカ・ユーラシア地域地質調査担当部長が会談し、地質調査プロジェクト実施における協力の現状と展望、地下資源利用関連の法制改革計画、地質調査投資拡大の可能性及びカザフスタンの人材育成について協議した。

トクタバエフ次官は、地質調査投資の誘致に向けた新地下資源法案、計画されている税制概念変更、アルマティ市における地質クラスター創設計画及びカザフスタン国内における国際認証取得ラボラトリーの設立計画について説明した。同次官は、Rio Tintoとの戦略的協力に言及し、新たなライセンス形式に基づくカザフスタンにおける地質調査拡大の可能性について述べた。特にダイヤモンドの探査について、ジャンブール州におけるKazGeoTech社との空中物理探査の共同実施からスタートすることをRio Tintoに提案した。

これに対し、Rio Tintoのアンドリュース地質調査部長は、Rio Tintoはカザフスタン政府による更なる投資環境整備を期待すると述べた。同社は新地下資源法の施行に関心をもち、同社の契約の新制度への移行、カザフスタンにおける原料加工促進をもたらす世界共通の課税制度(ロイヤルティー)への移行を望んでいるとしている。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS ウラン

カザフスタン:2016年のカザフスタンのウラン生産は、前年比1.7%増

2017年3月2日付の地元報道等によると、2016年のカザフスタンのウラン生産量は、前年比1.7%増の約2万4,000tであった。また、2017年のウラン生産量の見通しは、在庫過剰による市況低迷により約8%(2,000t)減であり、これは世界のウラン生産量の約3%に相当する。

カザフスタンには原子力発電所がないため、生産した全てのウランを主に長期契約で輸出しており、依然として中国が主要輸入国(50%以上)である。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 欧州・CIS

カザフスタン:2016年のKazakhmys社の銅生産

2017年3月3日付の地元報道等によると、2016年のKazakhmys社の銅生産量(カソード換算)は、22万5,657tであり、前年比2.5%(5,400t)増となった。鉱石の銅平均品位は0.95%で、前年の平均品位(0.91%)を上回り、計画値を1.1%上回った。選鉱プラントによる鉱石処理量は2,980万tであった。また、同社の2017年の銅生産量(カソード換算)は23万2,600tを予定している。

2017年3月21日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月22日 アフリカ 亜鉛

ナミビア・ブルキナファソ:Torevali社、Glencoreの亜鉛鉱山を買収

2017年3月13日、加Trevali Mining Corp.社は、Glencoreが80.08%の権益を保有するナミビアのRosh Pinah亜鉛鉛銀鉱山及び90%の権益を保有するブルキナファソのPerkoa亜鉛鉱山の買収を発表した。

本取引でGlencoreが受領する金額は400mUS$と予想され、うち約244mUS$は現金にて支払われ、残りはTrevali社の株式175.1株によって支払われる。その結果、GlencoreのTrevali社に対する持ち株比率は従前の4%から25%に上昇し、同社の役員8名のうち2名の指名権を得る。

なお、Rosh Pinah鉱山の予想年間生産量は100~105百万lb(権益100%ベース、約45,400~47,600t)、Perkoa鉱山は165~170百万lb(同、約74,800~77,100t)。

2017年3月20日 バンクーバー 杉崎真幸

2017年3月22日 オセアニア スカンジウム、コバルト

豪:Australian Mines社、Flemingtonスカンジウム―コバルトプロジェクトのスコーピングスタディの結果を発表

2017年3月15日、Australian Mines社はFlemingtonスカンジウム―コバルトプロジェクト(NSW州)のスコーピングスタディの結果を発表した。

これによると同プロジェクトはマインライフの最初の18年間において6億7,700万A$の税引き後のキャッシュフローを生み出すことが見込まれる。また、同社は7,400万A$をかけて10万t/年の鉱石の処理プラントを建設する予定であり、スカンジウム酸化物の生産量は50t/年が見込まれる。

正味現在価値(NPV)は2億5,500万A$、税引き後の内部利益率(IRR)は37.3%が見込まれ、同社は「世界クラス」の資産であると記している。今後同社はプレF/Sを実施する予定である。

2017年3月21日 シドニー 山下宜範

2017年3月22日 オセアニア ボーキサイト

豪:Metro Mining社、Bauxite HillsプロジェクトのF/S結果を発表

2017年3月15日、Metro Mining社はQLD州北部においてボーキサイトの開発を行うBauxite HillsプロジェクトのF/Sの結果を発表した。

同F/Sによれば鉱山建設のための初期資本コスト(initial capital cost)は3,580万A$であり、年平均での利払い前、税引き前及び償却前の利益(EBITDA)は1億4,500万A$になる見込みである。税引き後の正味現在価値(NPV)は6億100万A$、税引き後の内部利益率(IRR)は81%を見込んでいる。マインライフは17年であり、マインライフの間における収益は57億A$、EBITDAは25億A$となる見込みである。

Metro Mining社は、2017年中盤に最終的な環境認可を取得し、その後、建設を開始する予定である。そして2018年4月に生産を開始することを見込んでいる。当初は200万t/年の生産であるが、4年後からは600万t/年の生産量とする予定である。

地元紙によれば、Metro社のSimon Finnis社長はこれらのF/Sの結果は「目覚ましい」と述べ、「この資本でこのようなレベルのNPVが得られるのは極めて良いプロジェクトである」と述べている。

なお地元紙は最近の鉱山開発におけるF/Sの結果の例を記している。これによればPilbara Minerals社のPilgangooraリチウムプロジェクトはNPV:7億900万A$、IRR:38.1、EBITDA:42.2億A$、マインライフ:36年である。Gold Road社のGruyere金プロジェクトについてはNPV:3億500万A$、IRR:19.5%、EBITDAは20億A$、マインライフは13年である。

2017年3月21日 シドニー 山下宜範

2017年3月22日 オセアニア その他

豪:WA州のMcGowan新首相が組閣、鉱山石油大臣にPeter Tinley議員就任

2017年3月11日に行われたWA州議会選挙に勝利し、政権交代を果たした労働党のMark McGowan新首相は同16日、組閣を実施した。鉱山石油大臣には、これまで「影の内閣」において科学、貿易、アジア関連、土地等を担当する大臣を務めていたPeter Tinley議員が就任することになった。

同氏は1962年7月9日生まれ。豪州陸軍への25年間の従事などを経て、2009年にWA州議会の下院議員に選出された。西豪州鉱山エネルギー会議所(CME)、鉱業探鉱企業協会(AMEC)及び豪州石油生産探鉱協会(APPEA)は新内閣とPeter Tinley新大臣の就任を歓迎する声明を発表した。

2017年3月21日 シドニー 山下宜範

2017年3月22日 オセアニア

フィジー:Resource Group Advisory(Fiji)社、Mount Kasiプロジェクトにおいて金の探査を予定

2017年3月7日付けの地元メディアによれば、Resource Group Advisory(Fiji)社は、2017年4月までにMount Kasi金プロジェクトにおいて探鉱を開始する予定である。同社はNewcrest Exploration Fiji Ltd(NEFL)社から引き継いだ探鉱ライセンス(SPL:Special Prospecting Licence)に基づき3年間探鉱を実施することとしている。

なお以前にNEFL社が述べていたところによれば、Mount Kasiプロジェクトにおける金はNEFL社が目標とする量には達しておらず、これが同社が探鉱ライセンスを売却した理由の一つであった。NEFL社は合計で3,000m以上の掘削やMount Kasiプロジェクトにおける浅熱水性鉱床やポーフィリーシステム等の傾向に関して試験を行ったとしている。

2017年3月21日 シドニー 山下宜範

2017年3月22日 オセアニア ボーキサイト

フィジー:ボーキサイト鉱山からの排水で海が変色したと地元住民が主張、鉱山側は否定

2017年3月17日付けの地元メディアによれば、XINFA Aurum Exploration Fiji社のDreketi地区のNaibuluボーキサイト鉱山からの排水が海に流れ込んだことにより海が赤く変色したと地元住民が主張している。

当該地区における前週の激しい降雨により同鉱山の排水を貯める堆積池の水が溢れて海に流れ込んだことが原因であると地元住民は主張している。これに対してXINFA Aurum Exploration Fiji社側は堆積池の水が外部に排出されることはないと否定している。

Malakai Finau土地・鉱物資源省次官は、メディアからの質問に対し、これは陸地からの通常の表面流出によるものではないかと述べ、激しい降雨の後に海に土砂が流れ込むのはよくあることであるとの見解を示しつつ、同省の担当官が現場で検証を行っていると述べた。

2017年3月21日 シドニー 山下宜範

2017年3月22日 アジア その他

インドネシア:Freeport Indonesia社と政府の交渉は継続中

2017年3月16日付地元メディアによると、インドネシア政府とPT Freeport Indonesia(PTFI)との鉱業事業契約に係る交渉は未だ継続中である。

PTFI側の交渉を担うTony Wenas副社長は、交渉が開始されて以来、いかなる解決にも至っていないことを明らかにした。同氏は、PTFIとインドネシア政府との交渉は現在継続中であり、今後のために最適な解決策を模索していると述べたが、両者の交渉が膠着状態に陥った問題点について公表することは避けた。

Tony氏は2017年3月15日、エネルギー鉱物資源省を訪れ、政府高官と契約問題について議論を交わし、翌16日にはWiranto政治・法務・治安調整大臣と会談した。

2017年3月17日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月21日 欧州・CIS その他

欧州:欧州議会、紛争鉱物規則案を承認

2017年3月16日、欧州議会はプレスリリースにてEU紛争鉱物規則案が賛成558、反対17、棄権45で承認されたことを発表した。

本規則案では、錫、タングステン、タンタル、金(3TG)を「紛争地域及び高リスク地域」から調達する輸入業者、製錬・精錬業者へのデューデリジェンスの義務化が求められるが、川下のサプライチェーン企業は自主的な報告に留まる。また、歯科及び宝飾品用などの少量輸入、リサイクル金属、EU域内の既存在庫、副産物として生産される紛争鉱物資源は規則の対象外となっている。

今後の動きとして、EU理事会による承認を経た後、EU官報(EU Official Journal)により公表され、2021年1月1日から新規制として適用される。

2017年3月16日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月21日 中近東 亜鉛

イラン:IMIDRO、民間企業から成るコンソーシアムとMehdiabad亜鉛鉱山開発に向けて10億US$の投資契約を結ぶ

2017年3月12日にイラン鉱山鉱業開発機構(Iranian Mines and Mining Industries Development and Renovation Organization, IMIDRO)は、民間企業6社から成るコンソーシアムと世界最大級の亜鉛鉱山の一つであるMehdiabad亜鉛鉱山の開発にむけて10億US$の投資契約を結んだことを発表した。

イランMobin Mining and Construction Companyが率いるコンソーシアムは、スイスとスペインの鉱山企業とMehdiabad亜鉛鉱山開発のためのJV形成に向けた話し合いを行っている。Mehdiabad亜鉛鉱山の合意された操業期間は25年間(延長可能性あり)で、生産開始は4年後と予定されている。年間80万tの亜鉛精鉱生産、副産物として年間8万tの鉛及び銀精鉱生産を予定している。

2017年3月15日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月21日 アジア ニッケル

インドネシア:PT Antamは2017年度フェロニッケル生産目標量達成に意欲

2017年3月14日付地元メディアによると、PT Aneka Tambang Tbk社(PT Antam)は、南東スラウェシ州Pomalaaでのフェロニッケル製錬所拡張工事につき、電気製錬炉3号機(ESF-3)の屋根交換と第3フェロニッケルプラントの最適化を完了したと報告した。PT Antamによると、スケジュールと比較して10日間の前倒しで完了した。

PT Antam操業担当部長Agus Zamzam Jamaluddin氏は、当該工事完了に伴い、2017年のフェロニッケル生産目標である24,100t(ニッケル量)を達成できる見込みである。

生産量目標の24,100tは前年度生産量目標18,500tより30%増加となる。

2017年3月16日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月21日 アジア その他

インドネシア:鉱業事業契約者11社との契約再交渉が完了

2017年3月15日付地元メディアによると、インドネシア政府は、鉱業事業契約者11社との契約再交渉を完了したと明らかにした。

エネルギー鉱物資源省鉱物石炭総局Bambang Susigit鉱物管理開発局長によると、まだ13社との鉱業事業契約(COW)再交渉が継続中であり、その中にはPT Freeport Indonesiaも含まれている。Susigit氏は、再交渉が完了した11社が既に修正契約を締結したかどうかについては明らかにしなかった。

Susigit氏によると、再交渉において最も困難となっている点は、51%までの株式売却と税率の適用に関しての2点であるという。多くの鉱業事業者は、COWの契約期限まで税率は維持されるべきであると主張している。

COW保持者は34社で、9社は既に修正COWを締結している。PT Vale Indonesia社は最も早く修正COWを締結し、PT Amman Mineral Nusa Tenggara社は再交渉は行わず、新規則に基づく特別鉱業事業許可(IUPK)に変更することに同意している。

2017年3月16日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月21日 アジア

インドネシア:PT Ammanが製錬所及び鉱山開発に9bUS$を投資予定

2017年3月16日付地元メディアによると、PT Amman Mineral Nusa Tenggara社(PT Amman)は、銅鉱山及び製錬所開発に9bUS$を投資する。

エネルギー鉱物資源省鉱物石炭総局長Bambang Gatot Ariyono氏は、PT Ammanが同省に対して長期開発計画を提出したことを明らかにした。Bambang氏によると、計画では製錬所建設に1bUS$を投入し、残る8bUS$はSumbawa島の鉱山開発及び選鉱設備に投資する予定になっている。同氏はまた、製錬所建設期間は5年間、インドネシア政府が決定している精鉱輸出禁止のデッドラインとなっている2022年に完了する目標となっている、と述べた。

PT Ammanは2017年2月、鉱業事業契約から特別鉱業事業許可への変更を受け入れ、675,000tの銅精鉱輸出許可を取得している。

2017年3月16日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月17日 中南米

メキシコ:2017年主要銀生産企業10社の銀生産量増加を見込む

2017年3月10日付け業界紙は、メキシコ銀生産主要10社の2017年銀生産量は対前年比7.7%増の153百万ozと予想した。2016年銀生産量は、2015年比4.1%減の142百万ozとなった。なお、メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が集計した2016年メキシコの銀生産量は2015年比6.3%減の149百万ozであった。以下は、メキシコ銀生産主要10社の2017年生産量予想である。

  1. Industrias Peñoles社:主要10社銀生産量の約4割を生産し、2015年には54.5百万oz以上を生産した。Peñoles社は公式な生産量予測は発表していないが、同社の銀生産量の大半が同社子会社Fresnillo社から生産されており、2016年生産量はSan Julián鉱山の増産、Ciénega鉱山の高品位鉱床からの生産により大きく上昇していることを踏まえFresnillo社の2017年の銀生産量は59.5百万ozと予想され、その結果、Peñoles社の2017年生産量は67.3百万ozと予想される。
  2. 加Goldcorp社:主力鉱山であるPeñasquito鉱山の品位低下に苦しんでおり、2015年(25.9百万oz)以降、減少傾向が続いている。同社は銀生産量見込みを発表していないものの、同社の金生産量見込みを参考に算出すると、2017年の銀生産量は2016年(17.9百万oz)比8.7%減の16.3百万ozと予想される。
  3. 米Southern Copper社:主力鉱山であるBuenavista鉱山から、銅とともに銀を生産しており、2015年の銀生産量は9.4百万ozと公表している。2017年は、同鉱山からの生産は好調を維持すると予測されることから、2017年の銀生産量は2016年(12.4百万oz)比2.7%増の12.7百万ozと予想される。
  4. First Majestic社:Santa Elena鉱山からの生産により、同社の2015年の銀生産量は11.1百万ozを記録した。その後の操業は安定しており、同社の銀生産量は2016年11.8百万oz、2017年11.75百万ozと横ばいが続くと予想される。
  5. 加Pan American Silver社:2015年に12.5百万ozを生産したPan American Silver社の銀生産量はÁlamo Dorado鉱山の資源量減退に苦しんでいる。同社はÁlamo Dorado鉱山の生産減を補うためLa Colorada y Dolores鉱山の拡張を進めており、2017年の銀生産量は2016年(11.5百万oz)から微減となる11.2百万ozを確保できると予想している。
  6. Minera Frisco社:生産量予測を公表していないが、2017年は2016年の銀生産量9.0百万ozは確保できると予想される。なお、2015年は、9.3百万ozを生産している。
  7. Fortuna Silver社:San José鉱山の増産が進んでおり、2017年の銀生産量は2015年4.9百万oz、2016年6.1百万ozから更に拡大し7.1百万ozと予想される。
  8. Endeavour Silver社:メキシコに3つの鉱山を保有するEndeavour Silver社は2015年に銀7.2百万ozを生産しており、2016年は5.4百万ozに減少した。2017年は2016年とほぼ同量を生産する計画であり5.5百万ozと予想される。
  9. Primero Mining社:2015年に銀8.3百万ozを生産した。同社の生産量は、主力鉱山であるSan Dimas鉱山がストライキ問題など多くの課題を抱えていることから2017年は2016年と同量となる5.3百万ozと予想される。
  10. Coeur Mining社:Palmarejo鉱山を保有しており2015年には5.2百万ozを生産した。同社は、同鉱山の操業を露天掘りから坑内掘りに変更しており、2016年は4.4百万ozに減少したものの2017年は6.8百万ozに拡大すると予想される。

2017年3月14日 メキシコ 森元英樹

2017年3月17日 中南米 金・銀

メキシコ:加SilverCrestoMetals社、Las Chispasプロジェクトにおいて高品位の金銀鉱床を捕捉

2017年3月6日付け地元紙によると、加SilverCrestoMetals社は、同社がSonora州に保有するLas ChispasプロジェクトのBabicanora鉱床に初のボーリング調査を行った結果、銀換算品位1,000g/t以上の試料を捕捉したことを明らかにした。

19世紀、Babicanora鉱山は、最大級の貴金属生産鉱山として操業を行ってきた。同鉱山は、1970年頃からスペイン人により開発が行われ1935年頃まで継続的な操業が行なわれ、19世紀末までに約2,488tの銀を産出したとされる統計もある。同社が実施しているLas Chispas、William及びVarela鉱床、そして今回のBabicanora鉱床は過去に探鉱・開発が実施されてこなかったため大きな期待が寄せられていた。同社幹部は、調査エリアの大半は採掘されたと考えてきたが、鉱化作用が確認されたものの多くは未着手で発見された。同調査の結果は、今後の高品位鉱化作用の補足を示唆していると述べている。

2017年3月14日 メキシコ 森元英樹

2017年3月17日 中南米 その他

メキシコ:メキシコ鉱山・冶金・地質技師協会(AIMMGM)会長、Zacatecas州への環境税支払い停止を示唆

2017年3月3日付け地元紙によると、メキシコ鉱山・冶金・地質技師連盟(AIMMGM)会長は、Zacatecas州第2地裁は同州が創設した環境税の支払い停止を命じる判決を下すと述べた。同会長は、Zacatecas州が本年創設した環境税に対する連邦政府による違憲手続の結果を待っている。同協会としては、公聴会が開催されると考えており、環境税支払いは最高裁の判決が下されるまで一切行なわないことが適切である。協会メンバーの意見は、同税制は不公平な制度であるということ、また、既に創設されている連邦税と重複する。鉱業部門の代表として既に支払っている租税以上の扱いとなる税制にあらためて反対する。

2017年3月14日 メキシコ 森元英樹

2017年3月17日 アジア ニッケル

インドネシア:PT Antamが低品位ニッケル鉱石の輸出許可を2017年4月に取得見込み

2017年3月13日付地元メディアによると、国営鉱山公社PT Aneka Tambang(PT Antam)は低品位ニッケル鉱石の輸出許可を4月中に取得できる予定だという。

PT Antamの鉱石輸出申請は、政府が3月初めに輸出許可取得に関する技術的ガイドラインを制定したことによる。PT Antamのマーケティング部門責任者であるHari Widjajanto氏は、地元紙の取材に対し、4月前半には鉱石輸出が承認されるとの見込みを示した。Hari氏はまた、輸出の再開により、これまで長期間にわたり取引のあった日本の顧客との関係維持が可能となると述べた。

2017年3月14日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月16日 中南米 その他

ペルー:Cerro Verde鉱山、スト継続で50%の生産状況

2017年3月14日地元紙によると、3月10日に待遇改善等を求める無期限ストライキが開始されたCerro Verde鉱山(Arequipa州)では、3月13日に労使による対話協議が実施されたものの、合意に至らず3月14日現在もストライキが継続している。

Revilla労組代表によれば、3月14日現在同鉱山ではストライキへの対応として、本来休暇中の労働者による操業を行っており、50%の生産状況となっている。また3月14日午後2時から再度労使交渉が行われる予定となっている。一方、同鉱山のスポークスマンは、労働者や組合とは建設的な対話を続けていくと述べた。

2017年3月14日 リマ 迫田昌敏

2017年3月16日 北米 ニッケル

加:Vale社、Stobieニッケル銅鉱山を休山へ

2017年3月10日付けメディア報道によれば、Valeは、同社が加ON州に保有するStobieニッケル銅鉱山の操業を中止し、ケアアンドメンテナンスの状態に移行する方針であることを表明した。

Valeは操業中止の理由として金属価格の低迷、鉱石の品位低下に加えて、今年1月に現地で発生した地震の影響を挙げた。この地震により鉱山では坑内3,000フィートレベル以下で作業を行えない状況が続いており、休山を判断した理由のひとつとなったと述べている。

Stobie鉱山は1890年の開山の後、100年以上にわたり約375mtの鉱石を生産したが、今回の休山によりその歴史に幕を下ろすこととなる。

2017年3月14日 バンクーバー 杉崎真幸

2017年3月16日 北米 銅・金

加:Northern Dynasty社、Pebble銅金プロジェクトの環境認可取得のための準備を開始

2017年3月8日、Northern Dynasty Minerals社は、凍結中であった米AK州のPebble銅金プロジェクトについて、環境コンサルタントであるHDR Alaska社と契約し、環境認可取得のためのベースライン調査を開始する予定であることを発表した。

PebbleプロジェクトはAK州南部に位置し、6.44btの資源量が確認されている世界有数の未開発鉱床であるが、鉱廃水による流域の汚染を懸念する環境保護団体の反対運動により、2014年に連邦環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)による拒否権発動をもってプロジェクトは凍結されていた。しかし、今年2月に米国下院科学宇宙技術委員会(US House Committee on Science, Space and Technology)がEPAに対して拒否権を撤回するよう要求を出したことから、プロジェクト再開の可能性が浮上している。

2017年3月14日 バンクーバー 杉崎真幸

2017年3月16日 欧州・CIS 亜鉛

スイス:Glencore、アフリカ操業亜鉛鉱山2社の権益を加Trevali社に売却

2017年3月13日にGlencoreはプレスリリースにて、同社が保有するナミビアRosh Pinah亜鉛鉱山の権益80%及びブルキナファソPerkoa亜鉛鉱山の権益90%を加Trevali Mining Corporation(Trevali)社に総額4億US$で売却することで最終契約を結んだことを発表した。

規制当局の承認後、2017年7月に売却完了を予定している。Trevali社は、現在ペルー及びカナダに亜鉛鉱山を所有しており、Rosh Pinah、Perkoa亜鉛鉱山が同社ポートフォリオに加わることで、亜鉛に集中した世界で唯一のグローバル鉱山企業となるという。また、Glencoreは、Trevali社の直接所有権を4%から25%に増加させ、取締役を2席確保する。さらに、Trevali社の所有する全4鉱山とオフテイク契約を結ぶという。

取引完了後、Trevali社の年間亜鉛生産量は23万tとなり、操業地は北米、南米、アフリカと拡大することになる。Glencoreの亜鉛マーケティング代表Daniel Mate氏は、Trevali社が市場で一流亜鉛企業として進化している時に、パートナシップを強化できることを喜ばしく思う。我々はTrevali社の最初の鉱山開発からパートナーとして協働しており、ビジネスの将来成長において同じビジョンを共有している、と述べている。

2017年3月14日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月15日 欧州・CIS 白金

英:WPIC、2017年は白金12万ozの供給不足と予測

世界白金投資評議会(World Platinum Investment Council, WPIC、本部ロンドン)は、2017年3月9日付で最新の「Platinum Quarterly」を発行し、2017年の白金需給見通しを発表した。

WPICによれば、2016年の白金市場は27万ozの供給不足となったとし、2017年は需要が6%減少、リサイクル分を含む総供給量が4%減少するとの予測から不足幅が狭まり、12万ozの供給不足となると予測した。白金市場の供給不足は2017年で6年連続となる見込み。

供給サイドについては、鉱山生産量、地金生産量及びリサイクル生産量がそれぞれ前年比3%、2%、6%と減少することから2017年度の総供給量は766万ozになると予測。特に南アとジンバブエの地金生産量の大幅な減少が起因している。

需要サイドについては、投資需要の大幅な減少、石油セクターからの需要減が起因し、6%減少の778万ozになると予測。自動車セクターからの需要は比較的安定し、僅かに1.5万oz減少した339万oz、宝飾品向け需要はインド及びその他地域の需要増が中国の需要減に相殺され1%減の253万ozになると予測された。

2017年3月13日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月15日 欧州・CIS

英:CME、銅のヘッジ取引量が増加

2017年3月10日付メディア報道によると、CMEのGlobal head of metals、Young-Jin Chang女史は同社の“シンプルな電子取引”によって銅のヘッジ取引量が増加していると述べた。

同女史によると、従来LMEはヘッジの主要取引場である一方、CMEは金融トレーダが中心であったが、現在CMEを介してのヘッジ取引が増加傾向にあり、銅取引におけるオープン・インタレスト(未決済建玉)は2016年に前年比16%増加したという。CMEの銅取引は30年前にローンチされたが、老舗のLMEを前に取引量は増加せず、主に北米市場を中心とした取引所となっていた。しかし、同社は2014年に再編した際に、銅市場へより積極的に働きかける方針に変えた。

また、香港証券取引場に買収されたLMEは手数料の増加等、金属トレーダーにとって不満が高まっていた時期に重なったことから、CMEの銅取引が増加したと見ている。2016年、CMEにおける銅の一日当たりの平均取引量は26.5%増加した一方、LMEは5.6%減少した。

同女史は、マクロ市場状況に関わらずビジネスが成長したのは、中国、日本、韓国での働きかけを強めたことに加えて、CMEの電子取引は透明性が高く、シンプルであることが同地域での金融トレーダー及びヘッジ取引者を魅了していると述べた。

2017年3月13日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月15日 アフリカ その他

ザンビア:ザンビア鉱業協会会長は電力費の上昇は鉱山企業にとって重要な問題だと警告

2017年3月9日付のメディア報道によると、ザンビア鉱業協会のNathan Chishimba会長はザンビア鉱業において同国の電力費は決定的な問題に為り得ると述べた。

同国は、厳しい干ばつによる主要ダム水位の減少から深刻な電力不足に見舞われており、同国財務大臣Felix Mutani氏は、2017年の予算案で政府は、2017年末には電力生産コストを反映して電力費を上昇させる予定であるとしている。

Chishimba氏は、鉱山企業は政府と同件に関し議論中であるとし、政府の示す電力費は米Energy Information Administrationが示すグローバル基準の20%以上だと指摘した。また、同氏は2016年のザンビアの銅生産量は77万tに増加したが、目標値であった100万tに満たなかったのは電力不足が主な原因となっていると述べた。

2017年3月13日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月15日 オセアニア バナジウム、チタン

豪:TNG社、NT準州政府とバナジウム・チタン製錬所開設手続きを迅速化する契約を締結

2017年3月9日、NT準州でMt Peakeバナジウム・チタン・鉄プロジェクトを実施しているTNG社は、同準州政府とチタン・バナジウム製錬所開設に関する手続きを迅速化する契約を締結したことを発表した。同社は同準州内で雇用を提供し、同準州政府は同プロジェクトに関する現地アクセス、港湾利用、環境認可や計画認可等の許認可手続きを迅速に行うことを約束する。

同社のMt Peakeプロジェクトは、アリススプリングスの北西約235㎞に位置しており、開発計画中のTIVAN製錬所から17,560t/yの五酸化バナジウム、236,000t/yの二酸化チタン、637,000t/yの鉄をそれぞれ輸出用に生産する計画であり、現在最終的な開発判断(FID)を行うための技術的な調査と環境調査を実施中である。同準州政府は同プロジェクトの建設時に1,700名が雇用され、鉱山操業時には鉱山で200名、製錬所で400名が雇用されることを期待している。

2017年3月13日 シドニー 矢島太郎

2017年3月15日 オセアニア 鉄鉱石、カリウム

豪:BC Iron社、WA州Nullagine鉄鉱石鉱山の権益をFortescue社に売却完了、カリウムJVに参入

2017年3月10日、鉄鉱石生産企業BC Iron社は、WA州Nullagine鉄鉱石鉱山の75%の権益をFortescue Metals Group社に売却する手続きが完了したことを発表した。BC Iron社は現在WA州Iron Valley鉄鉱石鉱山の操業、Buckland鉄鉱石プロジェクトの開発を進めているが、今後は鉄鉱石だけでなく、金、ベースメタル、肥料鉱物を関心鉱種に加え、積極的に探査を実施していく方針を示している。

BC Iron社は3月1日にKalium Lakes社とWA州CarnegieカリウムプロジェクトのJVに参画したことを発表している。BC Iron社はFS完了までの費用を負担することで50%の権益を取得することができる。Kalium Lakes社が同プロジェクトに関する探査・運営を実施する。同プロジェクトは塩湖かん水から肥料用の硫酸カリウムを生産することを目的としている。

2017年3月13日 シドニー 矢島太郎

2017年3月15日 オセアニア ウラン

豪:Vimy Resources社、連邦政府からMulga Rockウラン鉱山開発の認可を取得

2017年3月6日付けの地元メディアによれば、Vimy Resources社が計画するMulga Rockウラン開発プロジェクトは連邦政府から環境認可を取得した。これは同鉱山の生産開始までに必要とされる最終的な認可となる。同プロジェクトはこれより以前にWA州政府からも環境認可を取得していた。

同プロジェクトはWA州のKalgoorlieの北東約240㎞に位置する。マインライフは16年が予定されており年間1,360tの酸化ウラン精鉱の生産が予定されている。またウランの他に、銅、亜鉛、ニッケル及びコバルトも生産される予定である。生産されたウラン精鉱は道路輸送でアデレード港まで運搬されることになる。

緑の党(The Australian Greens)は今回の連邦政府による環境認可に対して批判をしている。同党によれば同プロジェクトの場所には希少で絶滅の危機に瀕した多くの生物が生息すること、また、豪州で最も乾燥した地域において1日に1,500万ℓの水を使用することになること、また、放射性の鉱滓の環境影響も長期に亘って続くことになると述べている。

2017年3月14日 シドニー 山下宜範

2017年3月15日 オセアニア その他

豪:WA州議会の選挙で労働党が勝利し政権交代

2017年3月11日に行われたWA州の議会選挙は野党・労働党が勝利し、自由党・国民党の連立政権から、労働党への政権交代が行われることとなった。

3月12日、業界団体の西豪州鉱山エネルギー会議所(CME)は労働党のMark McGowan新首相の就任を歓迎するとの声明を発表した。CMEのReg Howard-Smith CEOは「McGowan新首相がWA州の資源セクターを支持することを確信する」と述べ「州の利益のため資源セクターの成長に向けて新政権と協働することを期待する」と述べた。

連立与党の一部(国民党)が提唱していた鉄鉱石への課税強化については労働党は反対しておりCMEは労働党の立場を評価した。地元紙は選挙の最大の勝利者はBHP BillitonとRio Tintoであるとも報じている。

一方、ウラン開発については労働党は反対の立場であることから、地元紙は労働党の勝利はウランセクターに影を落としたと報じている。ただし労働党はウラン開発に反対であるものの、既に認可されたものはこの限りではないとしている。CMEや鉱業探鉱企業協会(AMEC)は、Vimy Resources社、Toro Energy社及びCameco社が計画している環境認可を取得済みのウラン開発プロジェクトが今後進行することを期待するとコメントしている。一方、反原子力の運動家はこれら企業が取得した認可は条件付きであり最終的な認可ではないとコメントしている。

2017年3月14日 シドニー 山下宜範

2017年3月15日 オセアニア その他

豪:資源価格の安定により上場を果たす採鉱及び探鉱企業が増加

2017年3月13日付けの地元紙によれば、資源価格の安定により豪州証券取引所(ASX)への上場を果たす採鉱及び探鉱企業が増加しており、2017年の第1四半期内に新規に上場を果たすこれらの企業の数は2016年通年での新規の上場企業数を上回る見込みである。

2017年に入ってからASXにおいて8社の資源系(material)企業の株式上場が行われた。さらに8社が上場に向けて準備を進めており、このうち少なくとも半数が2017年3月末までに上場を果たす予定である。2016年に資源系企業で新規の株式上場を果たしたのは12社であり、2015年は3社であった。2017年については現在のペースが続けば2012年に記録した35社を上回ることになる。ただしファンドや会計関係者は資源価格の回復の持続性が問題である等として慎重な見方をしている。

リチウム関連のMarquee Resources社とLithium Consolidated Mineral Holdings社は株式上場に向けて準備中である。金関連ではMagmatic Resources社が株式上場の予定である。先頃上場を果たしたカリウム関連のKalium Lakes社は現在の勢いが持続することを期待すると述べている。

2017年3月14日 シドニー 山下宜範

2017年3月14日 中南米 その他

ペルー:Minsur社の2017年金属生産量見込み

2017年3月6日付け地元紙によると、Minsur社(本社リマ)は、2017年金属生産量として、San Rafael鉱山(Puno州)の錫生産量が16,500~17,500t、Pucamarca鉱山(Tacna州)の金生産量が90,000~100,000oz(約2.8~3.1t)と見込んでいる。Pucamarca鉱山の2016年の金生産量は、前年比13%減の105,659oz(約3.3t)だった。

San Rafael鉱山の2016年第4四半期の粗鉱錫品位は、前年同期の1.96%に比べ、1.80%と低下し、Pucamarca鉱山の2016年第4四半期の粗鉱金品位は、前年同期の0.57g/tから0.54g/tへわずかに低下した。

San Rafael鉱山の2016年のキャッシュコストは前年から15.0%上昇して錫生産量1t当たり8,906US$、Pucamarca鉱山の2016年のキャッシュコストは前年比40%上昇して金生産量1oz当たり470US$となった。

2016年に124百万US$の設備投資を行った同社は、2017年に130~160百万US$の設備投資を行う見込みである。この中には、ともに2017年第3四半期完了を見込む、年産銅量90,000tのMina Justa銅プロジェクト(Ica州)のFSに対する25~30百万US$と、San Rafael鉱山廃さい回収プロジェクト(Bofedal 2プロジェクト、Puno州)のFSに対する9~12百万US$が含まれる。

同社CEOのJuan Luis Kruger氏は、1,300~1,500百万US$とされるMina Justaプロジェクトの資金調達について、JVパートナーまたは債券市場の利用を示唆した。また、同氏はBofedal 2プロジェクトについて、環境面での認可と地元コミュニティからの社会的ライセンスを受けた後、2018年の早期から建設を開始し、2019年後期までには生産を開始したいと述べた。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 亜鉛、鉛、銀

ペルー:Santander亜鉛鉛銀鉱山、鉱物資源量を更新

2017年3月6日、Trevali Mining社(本社バンクーバー)は、Santander亜鉛鉛銀鉱山(Lima州)の鉱物資源量を更新した。

同社プレスリリースによると、新しい鉱物資源量は、精測+概測カテゴリで3.8百万t(品位:Zn 4.85%、Pb 0.85%、Ag 1.2oz/t(約37g/t))、予測カテゴリで12.0百万t(品位:Zn 4.22%、Pb 0.23%、Ag 0.56oz/t(約17g/t))。2016年まで使用していた亜鉛4%相当のカットオフ品位を、40US$相当品位に変更している。同社では2017年に、同鉱山Magistral鉱体とSantander Pipeターゲットに対し、3百万US$を投資し、15,000mのボーリング探鉱を実施する予定である。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 亜鉛

ペルー:Tinka Resources社、Ayawilcaプロジェクトで高品位亜鉛鉱徴捕捉

2017年3月6日、Tinka Resources社(本社バンクーバー)は、100%権益を保有するAyawilca亜鉛・銀・錫・インジウムプロジェクト(Pasco州)でのボーリングにおいて、高品位亜鉛鉱徴を捕捉したことを発表した。

同社プレスリリースによると、プロジェクト南部エリアに対するステップアウトボーリングA17-56孔において、掘進深度127.5~189.9mの62.4m間でZn品位5.6%の鉱徴を捕捉した。この鉱徴は石灰質~砕屑岩を置換した硫化鉱で、同孔の下位にも同様な地質状況が連続していることから、掘進深度238m以深に対してもなお掘削を続行していると報告した。

同社によると、同プロジェクトの現時点の鉱量は18.8百万t(亜鉛相当品位8.2%)。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 その他

ペルー:エネルギー鉱山大臣、PDACでペルー国内鉱業政策を発表

2017年3月7日付け地元紙によると、カナダで開催されているPDACに出席中のTamayoエネルギー鉱山大臣は、ペルーへの鉱業投資促進を目的として、探鉱関連プロセスを簡素化する規則改定を、3月末を目途に発表することを明らかにした。

さらに、鉱業における研修・保安基準に関しても変更を行うことを明らかにし、これは規制緩和ではなく過度な規制の改正であると説明した。一方、社会争議への対応策として、鉱業が実施される州のインフラ事業を、経済財務省が国債発行によって資金を調達して支援するメカニズムを構築中であることを明らかにしたうえで、本メカニズムは既にCajamarca州で適用された経緯があり、他州でも適用されうる可能性があると述べた。

また、本メカニズムは2017年1月に政府が法令を公布した事前社会投資基金(Fondo de Adelanto Social)とは別の制度であると説明した。同じくPDACに参加したペルー持続的投資環境認証サービス局(SENACE)も、EIAの承認プロセスの簡素化に取り組んでいることを明らかにし、その例として技術根拠報告書(ITS)による軽微な変更を行う場合に、膨大かつ詳細な調査を行う必要がなくなること等を挙げた。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 その他

ペルー:2017年2月の国内争議状況

2017年3月8日、憲法に基づき設立された独立・自立的監査機関であるオンブズマン(Defensoria del Pueblo)事務所は、2017年2月の国内社会争議状況を公表し、鉱山企業の社会的支出を求めるコミュニティの抗議活動が盛んになったことを報告した。報告では、鉱山企業の社会的貢献(金銭的支出)を求めるコミュニティの抗議活動の例として、中国系MMG社(本社豪州)のLas Bambas銅鉱山(Apurímac州)、Hudbay Minerals社(本社カナダ)のConstancia銅鉱山(Cusco州)、BHP BillitonほかのAntamina銅亜鉛鉱山(Áncash州)をあげた。2017年1月に44件と、比較的穏やかな2017年の幕開けとなったデモ等の集団抗議活動は、2017年2月に60件まで”回復”し、2名の負傷者を記録した。

国内社会争議総件数は前月比2件減の212件であり、新たに5件の争議が報告され、4件が解決、3件が観察結果により争議から取り下げられた。新たに報告された5件の中には、Bayóvarリン鉱石鉱山(Piura州)の土地の権利に関する再交渉要求などの複数の鉱業関係争議が含まれている。解決された4件の中には、Pan American Silver社のQuiruvilca多金属鉱山(La Libertad州)における労働者補償に関する争議と、La Libertad州におけるインフォーマル鉱業事業者の合法化争議が含まれる。係争中の案件は、前月比1件減の155件(残り57件が潜在状態)。争議拡大防止のために政府の介入が急務とされる“警戒案件”は、前月27件から5件減の22件。最大の争議原因は社会環境で、全体の68%の144件(係争中118件)にのぼり、うち95件(係争中78件)が鉱業部門に関連したものであった。

地域別では、Apurímac州(26件)、Áncash州(26件)、Puno州(18件)、Cajamarca州(16件)、Cusco州(16件)の順になっている。セクター別では、鉱業部門66%、炭化水素部門14%、エネルギー部門8%などとなっている。少なくとも83件の争議が対話過程にあり、そのうち68件にはオンブズマン事務所が間に入っている。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 その他

ペルー:Hochschild Mining社、2016年決算発表

2017年3月8日、Hochschild Mining社(本社ロンドン、リマベース)は、2016年の予備的決算を公表した。同社プレスリリースによると、2015年の234.6百万US$の損失から、2016年は45.6百万US$の黒字に業績が回復した。2016年の売上高は、貴金属価格の上昇と生産増により、2015年の469.1百万US$から、688.2百万US$へ47%増加した。

同社によると、2017年の生産見通しとして、目標生産金属量37.0百万銀相当oz、全社AISCコスト12.2~12.7US$/銀相当oz、Inmaculada鉱山(Ayacucho州)のAISCコスト9.0~9.5US$/銀相当ozを示した。また、同社では、Pallancata鉱山(Ayacucho州)Pablo脈とその周囲のインフラ開発のための20百万US$やInmaculada鉱山の廃さいダム拡張工事のための15百万US$を含む120~130百万US$を設備購入に投資する計画である。さらに、同社CEOのRamón Barúa氏は、2017年にAzuca金銀プロジェクト(Cusco州)でボーリング調査を予定する一方で、Crespo金銀プロジェクト(Cusco州)の進展については消極的な姿勢を明らかにした。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米

ペルー:Chavín銀プロジェクト、DIA提出

2017年3月9日付け地元紙によると、Minera Casapalca社(本社ペルー)は、Chavín銀プロジェクト(Áncash州)について、DIA(Declaración de Impacto Ambiental)をエネルギー鉱山省あて提出した。同DIAによると、平均250m間隔で計20ヶ所のボーリングサイトを設置する。同社は、本プロジェクトについて、Condor Resources社(本社バンクーバー)と共同探鉱契約を結んでいる。

SNL社データによると、同プロジェクトの1995年末時点の予測鉱物資源量は8百万t、品位は、Ag 704g/t、Cu 1.35%、Au 0.99g/t、Zn 0.4%。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 ウラン、リチウム

ペルー:Macusani高原ウランプロジェクト、2017年プレFS、2018年FSを見込む

2017年3月9日付け地元紙によると、Plateau Uranium社(本社トロント)は、同社のMacusaniウランリチウムプロジェクト(Puno州)において、2017年にプレFS、20年にFSを計画していることを明らかにした。同プロジェクトは、露天掘り、年産U3O8量5百万lb(約2.3千t)、マインライフ10年、初期投資総額300百万US$で、2020年稼働が見込まれている。

2016年1月に発表された同社の予備的経済性評価(PEA)によると、同プロジェクトの生産コストは17.28US$/lb、NI43-101ベースの鉱物資源量は、ウランに関し、精測+概測カテゴリ52.9百万lb(約24.0千t、U3O8品位248ppm)と予測カテゴリ72.1百万lb(約32.7千t、U3O8品位251ppm)、リチウムに関し、精測+概測カテゴリ67千t(Li品位0.13%)と予測カテゴリ109千t(Li品位0.12%)とされ、冶金試験結果による回収率は、ウラン92%、リチウム73%とされている。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 その他

ペルー:Cerro Verde鉱山、無期限スト開始

2017年3月10日付け地元紙各紙によると、Cerro Verde鉱山(Arequipa州)においては、待遇改善等を求める労使交渉が続けられていたが、合意に至らず、現地時間3月10日午前6時30分に無期限ストライキが開始された(当初ストライキ期間は5日間の通告だった)。

同鉱山労働組合のCesar Fernandez副書記長によると、1,300名がストライキに参加しているが、300~400名の未組織労働者により、1,400~1,500t/日の生産減の稼働率により生産が維持される見通し。同労組Chuquipata書記長は、2014年までは月給の約8倍に相当するボーナスが支払われていたが、2015年には1,500ソーレス(約440US$)、2016年には276ソーレス(約81US$)しか配当されなかったことは、同鉱山の拡張事業が原因だとし、投資は順調に回収中であるにもかかわらず、労働者の利益配当にしわ寄せが出ている状況を埋め合わせるべきだと主張した。さらに、労働者らは、事故が起きた際の調査委員会のメンバーとなることを法に基づいて求めているとしたほか、鉱山保安に関する内部規定や義務事項の改善等を求めている旨明らかにした。

同鉱山では2015年に255,917t、拡張後の2016年には498,950tの精鉱中金属銅が生産された。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米

ペルー:Minera Poderosa社、Palca金プロジェクトの探鉱開始

2017年3月10日付け地元紙によると、Minera Poderosa社(本社リマ)は、2017年2月初旬にPalca金プロジェクト(La Libertad州)における探鉱開始の許認可を取得したことを明らかにした。同認可に基づき、推定資源量800,000t(平均金品位12g/t)とされる同プロジェクトの実際のポテンシャルを確認する。同社Santillana代表取締役は、2021年頃に生産を開始したいと述べている。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 その他

ペルー:La Oroya精錬所とCobriza鉱山のオークション、初回入札は不調

2017年3月10日付け地元紙によると、同日実施された、清算手続き中のDoe Run Peru社資産のLa Oroya精錬所(Junín州)とCobriza鉱山(Huancavelica州)に対する入札は不調に終わった。最低入札価格は、合計査定額407.56百万US$の66.6%に相当する271.7百万US$だったが、応札企業は現れなかった。第2回入札日は3月21日で、最低入札価格は、第1回最低入札価格の85%に設定される。第2回入札が不調の場合、最低入札価格を第2回入札最低価格の85%に設定した第3回入札が3月30日に実施される。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 その他

エクアドル:La Plata多金属プロジェクトで高品位鉱徴捕捉

2017年3月1日、Toachi Mining社(本社トロント)は、La Plata多金属(金銀銅鉛亜鉛)プロジェクト(Cotopaxi県)で高品位鉱徴を捕捉したことを明らかにした。同プロジェクトのLa Mina Northターゲットで実施されたボーリングにおいて、着鉱幅13.7m間、Au 1.49g/t、Ag 30.55g/t、Cu 5.63%、Zn 1.32%、Pb 0.11%が特筆される。同社では2017年中に鉱物資源量の見積もりを完成させる計画である。

同プロジェクトの鉱床は、含金火山性塊状硫化物鉱床で、1975~1981年、露天掘り及び坑内掘りで小規模に開発された。1996~2000年、カナダのCambior社が、8,628mのボーリング調査を実施し、840千t(Au 4.8g/t、Ag 54.4g/t、Cu 4.1%、Zn 4.2%、Pb 0.7%)の予備的資源量見積もりを明らかにしている。さらに2006~2007年、Cornerstone Capital Resources社(本社トロント)が5,933mのボーリング調査を行い、913,977t(Au 8.01g/t、Ag 88.3g/t、Cu 5.01%、Zn 6.71%、Pb 0.78%)の予測鉱物資源量を見積もっている。Toachi Mining社は、同プロジェクトを所有するエクアドル地元企業と、権益60~75%を得るオプション契約を締結している。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米

コロンビア:Bezant Resources社、Choco金プラチナプロジェクトの予察調査結果を報告

2017年3月8日、Bezant Resources社が、Choco堆積性金プラチナプロジェクトの予備的経済性調査結果を報告した。同社プレスリリースによると、単一プラントを使用した場合、12ヶ月の操業で323千US$の正味現在価値、内部収益率29%、生産コスト768US$/oz、税引き後利益343千US$、年産プラチナ量2,200oz(約68㎏)、年産金量1,467oz(約46㎏)が見込まれる。

また、5年間の操業では、2.8百万US$の正味現在価値、内部収益率32%、生産コスト693US$/oz、税引き後利益3.6百万US$が見込まれるという。同社では、2017年上半期を目途に、開発手順をコントラクトパートナーと検討すると述べている。

2017年3月10日 リマ 迫田昌敏

2017年3月14日 中南米 その他

メキシコ:加Silver Wheaton社、San Dimas鉱山との生産契約修正の可能性を示唆

2017年3月8日付け業界紙によると、加Silver Wheaton社(本社:バンクーバー)は、加Primero Mining社が保有するSan Dimas鉱山(Durango州)との生産契約を修正する可能性を示唆した。この背景として、現在、Primero Mining社は、Silver Wheaton社とで銀187t/年(最大)を4.2US$/ozで生産する契約を締結しており、メキシコ税務当局はスポット価格ではない販売に対し、現在の銀市況に応じた課税を行うべきであるとして、法廷闘争を行っている。

また、この問題の他、Primero Mining社は、2017年2月半ばからSan Dimas鉱山の労働協調契約更新交渉の決裂に伴うストライキ問題により、同鉱山の操業を一時停止しており、さらに、2016年11月からは、ニューヨーク証券取引所が基準とする1US$を下回る株価となり上場廃止問題等に直面している。

Silver Wheaton社幹部は、財政状況を改善するため、どのような契約変更が可能かを検討することは可能であるが、公正な補償がなされる必要があると述べた。しかしながら、如何に契約を変更することができるかについての詳細コメントはない。

2017年3月12日 メキシコ 森元英樹

2017年3月14日 中南米 その他

メキシコ:世界経済の不透明感が増す中、鉱業界に明るい兆し

2017年3月7日付け地元紙によると、貴金属は投資家に再評価され同相場は反発傾向を示しており、2017年も貴金属価格は同等の高値が期待できるとし、Peñoles社が2017年の投資額を対前年比71%増加させた。英国のEU離脱、米国新大統領誕生を端に発した世界的な経済成長の鈍化への懸念は、経済環境の不確実性を生み、投資家はリスクを回避するため金属市場に資金を流入させ、さらにドル高ソル安が進んでいる。

この動きは、Grupo México社、Autlán社、Minera Frisco社、Peñoles社といったメキシコ証券取引所に上場している鉱山企業にプラス材料となっている。2016年末、これらの社のnet profit合計額は対前年比783倍上昇、EBITDAは過去5年で最高の伸び率となる25.8%を記録した。各社は、ここを好機ととらえ、個別プロジェクトの増産、操業停止中のプロジェクトの再開向け投資を促進させ、同時に財務諸表改善を推し進めている。

Fresnillo社幹部は、2016年は、過去数年間、金属の供給量が制限されてきたこと、投資家がより安全な投資先として金属を選んでいることから期待以上に市況が上昇した。逆に2015年は、貴金属市況が下落し、多くの鉱山の操業停止が伝えられたと述べた。このため、鉱山企業の中には、操業を拡大しさらなる利益を追求する会社がある。Autlán社、Grupo México社は、製造過程の効率化を進め、また、操業停止中のプロジェクトを再開させる予定であり、銅の採掘量と埋蔵量で国内1位のGrupo México社は銅分野への投資拡大を計画している。

2016年、Frisco社、Peñoles社のキャッシュ・フローは大きく上昇している。しかし、Frisco社が保有する全ての鉱山の生産量は減少傾向を示していることから、アナリストは、同社は生産量増加に向けた対策を講じる必要があると指摘している。他方、Peñoles社は、コスト削減と資源量増に力を注いでおり、2018年には生産コストを大きく改善させ、ナンバーワンの銀生産企業としての地位を確立させる計画である。

2017年3月12日 メキシコ 佐藤すみれ

2017年3月14日 中南米 その他

メキシコ:加Americas Silver社、San Felipeプロジェクトを買収

2017年3月8日付け地元紙によると、加Americas Silver社(本社:トロント)は、墨Santacruz Silver社の子会社Impulsora Minera Santacruz社との協議の結果、同社がSonora州に保有するSan Felipeプロジェクトを15百万US$で買収することで合意したと発表した。San FelipeプロジェクトはSonora州首都Hermosilloから北東に130㎞に位置し、露天採掘と坑内採掘により銀、亜鉛、鉛を生産している。

加Scorpio Mining社と合併したAmericas Silver社は、2年前からSonora州に保有するSan Rafaelプロジェクトを始動させており、国際的な事業拡大を進めている。今回のSan Felipe鉱山の買収は同社の魅力を高め、将来的には、同社の資産価値が大きく拡大する可能性がある。同社幹部は、San Felipeプロジェクトを進めることにより、Americas Silver社は銀生産量世界トップクラスの企業になると強調している。

2017年3月12日 メキシコ 佐藤すみれ

2017年3月14日 中南米 その他

メキシコ:加Chesapeake Gold社、広域探鉱計画の初期結果を公表

2017年3月7日付け地元紙によると、加Chesapeake Gold社(本社:バンクーバー)は、同社が保有するMetates多金属プロジェクト(Durango州)及びEl Pasoプラント(Sinaloa州)近隣における広域探鉱計画の初期結果を公表した。

Metatesプロジェクトは、世界の未開発プロジェクトの中でも巨大な金、銀、亜鉛の埋蔵量を誇るプロジェクトに数えられている。しかし、Sinaloa州Cosala町から小型機で約20分、その後、車輌で8時間という地域に位置する。また、同社は、Cosala町北西にEl Pasoプロジェクトを保有しており、同プロジェクト近隣に4つの貴金属プロジェクトを有し、2016年から計画的に開発を進めており、今回、探鉱結果を公表した。

  • Yarelyプロジェクト(Sinaloa州):Yarely北部地区における調査によって、着鉱幅2m金19.5g/t、銀505g/t並びに着鉱幅11m金1.1g/t及び銀42g/t、Yarely中央地区において着鉱幅14m金1.5g/t、銀143g/tを捕捉した。また、Yarely南部地区においては、銀、銅及びモリブデンの鉱化作用を捕捉している。
  • Nicoleプロジェト(Durang州):MetatesプロジェクトのMetates鉱体北西45㎞に位置し、調査の結果、着鉱幅7m金3.1g/t、銀238g/t及び亜鉛0.3%、着鉱幅3m金12g/t及び銀450g/tを捕捉した。

その他、Metates鉱体の南10㎞に位置するSan Javierプロジェクト(Durango州)等において、金、銀、鉛の鉱化を確認している。同社は、YarelyもしくはEl Paso地域における新たな発見は、Metatesプロジェクトの戦略的な開発に向けた優位性を高めるとコメントしている。

2017年3月12日 メキシコ 森元英樹

2017年3月14日 中南米

メキシコ:2017年のメキシコ鉱山企業金生産量、減少の可能性

2017年3月8日付地元紙は、2016年のメキシコ金生産量は安定した生産量を記録していたものの、2017年は減少する可能性があると報じている。地元紙が金生産大手等23社を対象に行った調査では、2017年の金生産量は3.71百万ozと推計され、2016年の同生産量3.88百万oz、2015年の3.91百万ozと比較すると微減するとの結果を得た。

  • 金予想生産量200,000oz以上の企業
  • Peñores社は、2015年が798,670ozであったのに対し、子会社のFresnillo社の生産量が大きく増加したことから2016年は971,477ozと大きく上昇した。2017年は921,000ozと予想している。
  • 加Goldcorp社(本社:バンクーバー)は、同社がZacatecas州に保有するPeñasquito鉱山からの鉱石量が減少したことから、2016年は2015年の1,130,000ozから696,000ozに大きく減少した。同鉱山の不振は2017年の生産量にも影響を与える可能性があり同年は410,000ozと予想している。
  • Frisco社は、2015年が411,858ozであったのに対し、2016年は381,278ozと減少した。同社からの生産予想量の回答はないが(公式にも未発表)、2017年は2016年と同程度と予想される。
  • 加Agnico Eagle社(本社:トロント)は、2016年は355,230ozを生産し2015年比で減少した。なお、2017年は310,000ozと予想している。
  • 加Torex Gold社(本社:トロント)は、El Limón-Guajes鉱山(Guerrero州)の商業生産により、2016年は279,937ozを生産し、新たな主力金鉱山企業としての仲間入りをした。2017年は2016年を上回る365,000ozと予想している。
  • 加Alamos Gold社(本社:トロント)は、2016年、Mulatos鉱山とEl Chanate鉱山(Sonora州)で合計222,000ozを生産し2015年比で減少した。なお、2017年は210,000ozと予想している。
  • 金予想生産量100,000oz以上
  • 米Argonaut Gold社は、2015年139,059oz、2016年122,097ozを生産した。2017年は122,500ozと予想している。
  • 加Pan American Silver社(本社:バンクーバー)は、同社がChihuahua州に保有するDolores鉱山の拡張により、2015年102,110ozから2016年は114,070ozに増加した。2017年は116,900ozと予想している。
  • 加Timmins Gold社(本社:バンクーバー)は、San Francisco鉱山(Sonora州)における生産量が2015年93,353ozから2016年は100,322と回復したものの、2017年は72,500ozと再び減少すると予想している。
  • 加Leagold Mining社(本社:バンクーバー)は、加Goldcorp社が保有するLos Filos鉱山(Guerrero州)の買収過程にあり、2017年は157,000ozと予想している。
  • その他
  • 加Primero Mining社(本社:トロント)は、Sinaloa州に保有するSan Dimas鉱山の生産不振により2015年151,355ozから2016年は93,881ozに生産量が減少し、金生産量国内10位にランキングを下げた。同社は対策を進めているものの、2017年、プラス材料は見当たらなく生産量増にはつながらないと考えられる。
  • 加Yamana Gold社(本社:トロント)は、Mercedes鉱山(Sonora州)の生産量が2015年84,137ozから2016年は70,242ozに減少した。2016年第4四半期には同鉱山を加Premier Gold社(本社:オンタリオ)に売却している。2017年のPremier Gold社による生産予想は87,500ozである。
  • 加New Gold社(本社:トロント)は、2015年105,512oz、2016年64,993ozを生産した。Cerro San Pedro鉱山(San Luis Potosí州)の抽出処理を続けるも2017年は生産量が更に減少し40,000ozとの予想している。
  • 加First Majestic Silver社(バンクーバー)は、Santa Elena鉱山(Sonora州)の生産量が2015年25,467ozから2016年62,436ozと増加した。加Fortuna Silver社(バンクーバー)もSan José鉱山(Oaxaca州)の拡大により38,526ozから46,018ozと増加した。
  • 米Hecla Mining社は、2016年にメキシコ国内での生産を再開し、San Sebastián鉱山(Durango州)において34,042ozを生産したが、2017年は23,000ozに減少すると予測している。
  • 加Endeavour Silver社(本社:バンクーバー)、加McEwen Mining社(本社:トロント)、米Gold Resource社(本社:デンバー)、加Great Panther Silver社(本社:バンクーバー)、加Avino Silver社(バンクーバー)、加Gold Mines(本社:モントリオール)はそれぞれ60,000oz以下の生産企業である。

2017年3月12日 メキシコ 佐藤すみれ

2017年3月14日 中南米 その他

メキシコ:加Timmins Gold社、San Francisco鉱山の生産量拡大を計画

2017年3月9日付け業界紙によると、加Timmins Gold社(本社:バンクーバー)は、San Francisco鉱山の生産量増加を計画中であることが明らかになった。同社幹部は、現在、同鉱山の操業計画の見直しを進めており、ここ数か月のうちに見直し作業が終了すると述べた。新しい計画には、不純物除去プロセスの改善、ボーリング調査の実施、及び操業活動の効率改善化が含まれる予定であり、その結果、生産量は70,000~75,000oz上昇する可能性がある。

同社は、San Francisco鉱山から持続的な収益を得つつ、Ana Paulaプロジェクト(Guerrero州)の開発を進めたいと考えており、両鉱山の開発によりメキシコでの収益力強化を図る計画である。なお、Ana Paulaプロジェクトは、2016年8月にFS調査を開始しており、2018年第2四半期に投資継続の判断を下す予定である。

2017年3月12日 メキシコ 森元英樹

2017年3月14日 アジア その他

インドネシア:PT Smelting社がアノードスライム輸出推薦状を取得

2017年3月9日付地元メディアによると、東ジャワ州Gresikにおいて銅製錬事業を営むPT Smelting社は、アノードスライムの輸出に関する推薦状を取得し、輸出枠は年2,149tとなった。鉱物石炭総局長Bambang Gatot Ariyono氏が、2017年3月6日にPT Smelting社に対して1年間の有効期限を持つ輸出推薦状を発行したことを明かした。エネルギー鉱物資源省からの推薦状は、商業省からの輸出許可を取得するために必要な文書となっている。

Bambang氏は、PT Smelting社への輸出推薦状の発行は、同社がPT Aneka Tambang社とアノードスライム精錬所建設を計画していることを鑑み、現行規則に則っている。

PT Antam社及びPT Smelting社は以前、東ジャワ州Pulogadungにおける貴金属精錬所の建設に関する覚書を締結している。

2017年3月9日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月14日 アジア

インドネシア:PT Freeport Indonesia社が操業を部分的に再開する予定

2017年3月10日付地元メディアによると、PT Freeport Indonesia社(PTFI)はまもなく銅精鉱の生産と鉱業活動を一部再開する見込み。

PTFI広報担当者Riza Pratama氏は、PT Smelter社がエネルギー鉱物資源省からアノードスライムの輸出推薦状を取得したため、Gresik向けの銅精鉱供給を再開する予定であると述べた。同氏は、2017年3月21日にGrasberg鉱山の選鉱工場が再開される予定であり、PT Smelting社への精鉱供給のために40%の能力で稼働することになると述べた。一方、PTFIは銅精鉱輸出許可を取得していないため、依然としてフル操業への復帰には至っていないことも認めた。

PTFIは銅精鉱の輸出許可が得られていないため、Grasberg鉱山の操業率が低下しており、パプア州ミミカ県労働事務所によれば、1.500名以上の労働者が解雇あるいは自宅待機状態であるという。

2017年3月9日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月14日 アジア アルミニウム

中国:環境保護生産規制計画案の公表が電解アルミニウム産業にプラス

安泰科によれば、2017年2月、中国環境保護部、国家発展改革委員会、財政部、国家能源局、北京市人民政府、天津市人民政府、河北省人民政府、山西省人民政府、山東省人民政府、河南省人民政府共同で次の通達を公表した。「北京・天津・河北及び周辺地域における2017年大気汚染防止対策仕事計画案」を発行、実施し、北京・天津・河北及び周辺地域の環境空気の品質を改善させる。

今回、北京、天津及び山東、山西、河南及び河北省の26都市が実施対象となっているため、“2+26”都市と略称される。本計画案では、冬場の暖房シーズンにおいて、生産停止した電解槽の台数で計算した場合、電解アルミニウム生産能力は30%以上を停止。生産ライン数で計算した場合、酸化アルミニウム企業は生産能力30%を停止。カーボン生産者について、生産ライン数で計算した場合、特別排出基準値を達成できない場合、全ての生産を停止。特別排出基準値に達成する場合は、生産能力の50%以上を停止。

電解アルミニウム産業の生産停止または生産復旧ためのコストは比較的高く、生産規制を実施することによって、予想以上の影響がある。電解槽を停止すれば、復旧するために3~4ヵ月かかる。復旧するには800元/t~1,000元/tのコストが必要となる。暖房シーズンによる生産規制政策を実行すれば、電解アルミニウム業界への影響は7ヵ月以上かかると予想される。

2017年3月8日 北京 森永正裕

2017年3月14日 アジア

中国:中国五鉱集団、銅生産量引き上げを計画

安泰科によれば、中国五鉱集団は、銅及び亜鉛等ベースメタルの生産能力を拡大する予定である。今後5年以内に銅生産を100万t以上に引き上げる計画。中国五鉱集団の2016年の銅生産は約65万tであった。既存鉱山の拡張または海外買収により拡張目標を実現させる。

2017年3月8日 北京 森永正裕

2017年3月14日 アジア レアアース

中国:産業補助金によるレアアース業界の発展促進

安泰科によれば、中国財政部及び工業情報化部は共同で「国家物聯ネット発展及び希土産業補助資金管理方法」を発表した。

本「方法」では、物聯ネット業界及びレアアース産業発展への資金支援を増やし、関連プロジェクトに対する補助額はプロジェクト投資総額の30%及び40%に設定する。本「方法」では、補助資金は主にレアアース資源採掘の監督管理、レアアース採掘選鉱、製錬、環境保護技術の改善、レアアース重要技術及び基準の研究開発、レアアースハイレベル実用技術の研究開発と産業化、共同技術サービスプラットフォームの建設等五つの分野を対象としている。

今回のレアアース特別資金を獲得するには、正当な営業資格及び関連資質証明を取得し、「レアアース産業への参入許可条件」の要求及び環境保護要求に合格しなければならない。2012年8月、中国工業情報化部は「レアアース業界への参入許可条件」を発表した。プロジェクトの創設、配置、エネルギー消費、環境保護等分野からレアアース業界への参入について明確に定めた。

長期的にみると、産業補助金はレアアース資源生産地の保護と効果的利用を促進できる。当該補助金は技術改善、エネルギーの節約及び環境の保全を図る。

2017年3月8日 北京 森永正裕

2017年3月13日 欧州・CIS その他

英:BMI Research、資源メジャーの見通しをポジティブに引き上げ

英BMI Researchは2017年3月3日付の記事で、Anglo American、Glencore、Vale、Rio Tintoを含む資源メジャーはここ数年で初めて純利益を黒字化し、且つ債務削減に成功したことから各社の見通しをポジティブに引き上げたことを発表した。

Glencoreは2016年度決算で16億US$の利益を出した一方、債務を前年度259億US$から155億US$に減少させた。同様にRio Tinto、Vale及びAnglo Americanも純利益をそれぞれ46億US$、39億US$、16億US$と出しており、Rio TintoとAnglo Americanの両社とも債務削減を100億US$以下に引き下げることに成功した。

BMI Researchは、鉱山企業は自社業績が上昇するのと併せて、今後も債務削減に取り組むことでバランスシートの強化に繋げるだろう。さらにほとんどの主要鉱山企業は2017年から配当を再開すると述べた。しかし、今後何年かはコモディティ価格が企業の成長の主要原動力にはならないとし、それよりコスト削減、効率性向上を図ることがバランスシートの強化、キャッシュフローの改善、総合的な業績改善に繋がるとした。また、効率性向上、アセット拡大に向けた技術投資は今後も継続する一方、グリーンフィールドへの投資は最小限となるだろうとした。

2017年3月9日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月13日 欧州・CIS その他

英:Anglo American、南アDe Beers社及びAmplats社の権益を新規子会社に委譲

2017年3月7日付のメディア報道によれば、Anglo AmericanのスポークスパーソンAnn Farndell氏は南アDe Beers社の権益85%、Anglo American Platinum社(Amplats)の権益77.69%を新規完全子会社のAnglo American South African Investments社に委譲したと述べた。

同氏は、これは経営上の判断であり、南アにおける鉄鉱石及び石炭資産の売却の将来的な意思決定の可能性を柔軟にするものであるとした一方、鉄鉱石及び石炭資産を保有することで同社の操業業績が改善されているとも伝えた。同社Mark Cutifani CEOは、株主の意向があれば南ア資産統合に関してもオープンに議論していくと述べている。

2017年3月9日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月13日 欧州・CIS コバルト

その他:Glencore、コバルトの主要供給者として有利な立場になると予測

2017年3月1日付のメディア報道によると、DRコンゴに位置するMutanda及びKatanda鉱山を保有するGlencoreは、コバルトの主要供給者となり今後有利な立場となると予測されている。

Barclaysの鉱業アナリストIan Rossouw氏、Amos Fletcher氏、James Hutchison氏は、コバルト価格は過去1年間ですでに50%上昇しており、EV、PC、スマートフォン向けのリチウムイオン電池やポリエステル、タイヤ等への利用増により今後更に上昇する見通しであるとした。また、同アナリストはGlencoreが現在年間32,000tのコバルトを生産しており、Katanga鉱山がフル稼働になった際には50,000~60,000t水準に達すると見ているが、コバルト市場は、当面は供給不足が続くと予測している。

GlencoreのIvan Glasenberg CEOは、コバルトは需要が高まる中、副産物としてコバルトを含む新規銅鉱山の開発が見られないことを指摘し、ポテンシャルの高いコモディティとして投資先に選んだとしている。

2017年3月9日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月13日 アジア 鉄鋼

インドネシア:Krakatau Steel社が2017年の目標生産量を前年比16%増とする

2017年3月8日付地元メディアによると、インドネシア鉄鋼会社PT Krakatau Steel Tbk(PT Krakatau)は、鉄鋼の2017年の生産量目標を、前年より16%増の2.6~2.7mtとすることを決めた。

PT Krakatau財務取締役Tambok P. Setyawati氏は地元紙に対し、インドネシアでの新規開発事業及びインフラ事業の増加により、鉄鋼の需要増が見込まれるためであると述べた。また、鉄鋼価格については、中国の製鋼所が減産に入っているため、上向くであろうと期待している。これにより、かつて中国産鉄鋼になびいたユーザーが、同社製品に戻ってくると予想している。

Tambok氏は、同社が2017年度の収益が前年度を上回ると考えており、2016年が171mUS$の純損失だったことから、効率化を継続する必要があると述べた。一方、この生産目標を達成するためには、300mUS$の資本的支出が必要となる。

2017年3月8日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月10日 欧州・CIS

カザフスタン:中国企業、銅選鉱場における請負工事完了し、生産開始

現地報道によれば、中国有色金属建設株式有限公司(中色株式)は、カザフスタンにある最大の銅選鉱場であるAktogay銅選鉱場の建設を請け負い、2017年3月3日に正式に稼働した。

Aktogay銅鉱山は、世界的に大規模な露天採掘銅鉱山で、確定埋蔵量は17億tである。Aktogay銅選鉱場への投資総額は21億US$で、稼働した後の年間鉱石処理量は、3,700万tである。

2005年にカザフスタン市場へ進出して以来、中色株式は一連の重要建設プロジェクトを実施していた。カザフスタン最初の電解アルミニウム製錬所の建設工事、Bozshakol銅選鉱場、パヴロダル石油コークス建設プロジェクト及び硫化装置の建設請負プロジェクト等が含まれている。

2017年3月7日 北京 森永正裕

2017年3月10日 欧州・CIS 銅、ニッケル、金、銀

タンザニア:エネルギー鉱物省が銅、ニッケル、金、銀精鉱及び鉱石の輸出禁止令を発表

タンザニア、エネルギー鉱物省は、2017年3月3日付で、鉱物採掘に関わる市民、事業者に向けて、金、銅、ニッケル及び銀を含む金属鉱物の精鉱及び鉱石の輸出を2017年3月2日から禁止することを発表した。

同輸出禁止令は、「The Mineral Policy 2009」、「The Mining Act 2010」内で強調されているように、金属鉱物に関わる活動がタンザニア国内で実施されることを保証するものとし、金属鉱物の高付加価値化によって、雇用機会の創出、収益の獲得、技術移転へとつながり、故に国に利益をもたらすと述べている。

また政府は、精鉱及び鉱石をタンザニア国外へ選鉱のため輸出している事業者は、早急にこれを止め、高付加価値化の活動を国内で実施し始めるよう促しており、国内での鉱物選鉱、製錬、精錬活動に関わるステークホルダーへの必要な支援を提供するとしている。

2017年3月8日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月10日 アジア その他

中国:格林美株式有限公司、江西省都市鉱物資源大市場建設プロジェクトに5億元を投資予定

安泰科によれば、格林美株式有限公司は豊城市政府と「江西省都市鉱物資源大市場プロジェクトに対する投資契約書」を締結した。同社は豊城の循環経済産業パーク内に江西都市個物資源大市場のインフラ設備を建設する。投資額は5億元となる予定。当該都市鉱物資源大市場の年間分類、集散の取引量は45万t以上の規模である。国内トップの資源集中、分類一本化、市場の一本化を図るリサイクル資源大市場を築く。

格林美株式有限公司は、電池正極生産企業及び金属回収業者としてトップの地位である。

2017年2月15日 北京 森永正裕

2017年3月10日 アジア アルミニウム

中国:2016年アルミニウム及び製品の輸出の伸び減少

安泰科によれば、2016年12月の中国のアルミニウム及び製品の輸出総額は19.2億US$で、対前月比4.83%減、2016年1~12月のアルミニウム及びその製品の輸出総額は合計212億US$で、対前年比10.93%減少した。

中国のアルミニウム製品は主に200の国と地域に輸出している。輸出対象地域はますます広がっており、特に近年では、アルミニウム材料のメキシコ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、ナイジェリア等を含む新興市場や発展途上国への輸出が大幅に増加し、輸出先国の変動も大きくなっている。海外市場のアルミニウム地金の現物価格が上がり続けているため、米国、ヨーロッパ市場への輸出も急激に増えている。

世界経済が低迷を続け、貿易障壁が高まる状況の中で、中国のアルミニウム製品の輸出がさらに増加することは難しく、2016年の輸出は減少に転じ、今後の輸出もますます難しいものとみられる。

2017年2月20日 北京 森永正裕

2017年3月10日 アジア

中国:2016年銅の輸出の伸び増加へ

安泰科によれば、2016年の銅輸出総額は対前年比3.05%増の579,509万US$であった。

中国は重要な銅材生産、消費及び国際取引の国として、生産量は数年連続世界第1位を占めている。

近年、中国の経済成長は“ニューノーマル”に入り、国内の銅消費成長も次第に減速しており、銅における供給過剰問題も益々目立ってきている。国内の供給過剰問題を緩和させるため、2016年国内の銅及びその製品の輸出は安定的に増加し、2015年の輸出成長減少状態から変わり、輸出の伸びも2015年と比べ22.53ポイント上昇した。

2017年2月22日 北京 森永正裕

2017年3月10日 アジア その他

中国:2016年非鉄金属製錬及び圧延加工業務主要営業収入は増加を保持

安泰科によれば、2016年の一定規模の非鉄金属製錬及び圧延加工企業における主要営業収入総額は前年比増加を保っている。国家統計局が公表したデータによると、2016年の国内の非鉄金属製錬及び圧延加工業務主要営業収入総額は対前年比5.5%増の53,911.1億元であった。主要営業収入とは、企業主管業務による収入総額である。一定規模以上の工業企業とは、年間主要営業収入は2,000万元以上の工業法人企業のことである。

2017年2月24日 北京 森永正裕

2017年3月10日 アジア その他

中国:2016年非鉄金属採掘・選鉱業務主要営業収入は若干増加

安泰科によれば、国家統計局が公表したデータによると、2016年の国内一定規模の非鉄金属採掘・選鉱企業における主要営業収入総額は対前年比で若干増加し、6.4%増の6,479.6億元であった。主要営業収入とは、企業主管業務による収入総額である。一定規模以上の工業企業とは、年間主要営業収入は2,000万元以上の工業法人企業のことである。

2017年2月24日 北京 森永正裕

2017年3月10日 アジア その他

中国:2016年非鉄金属製錬及び圧延加工業務利益総額は大幅に増加

安泰科によれば、2016年の国内非鉄金属製錬及び圧延加工業務の利益総額は対前年比で大幅に増加した。国家統計局が公表したデータによると、2016年の国内一定規模以上の非鉄金属製錬及び圧延加工企業における利益総額は対前年比42.9%増の1,947.0億元であった。製錬企業の総合回収レベルの向上や加工企業の付加価値の高い製品に対する技術改善等が利益額増加の原因となった。

2017年2月24日 北京 森永正裕

2017年3月10日 アジア その他

中国:2016年非鉄金属採掘・選鉱業務利益総額は増加

安泰科によれば、2016年国内の非鉄金属採掘・選鉱業務の利益総額は対前年比増加した。国家統計局が公表したデータによると、2016年一定規模以上の非鉄金属採掘・選鉱企業による利益総額は対前年比9.7%増483.3億元であった。

2017年2月24日 北京 森永正裕

2017年3月09日 アジア その他

インドネシア:独立監査員に関する規則がまもなく発行

2017年3月6日付地元メディアによると、エネルギー鉱物資源省は、精鉱、低品位ニッケル鉱石及び洗浄済みボーキサイトの輸出許可の規則で規定される独立監査員の任命に関する規則を制定する予定。

同省鉱物石炭管理局のBambang Susigit局長は、今後数週間で法案が取り纏められるとの報告を受けており、これにより鉱山会社が輸出を阻害されることはなくなるだろうとの見通しを述べた。同氏は、現在独立監査員の選定に関する要件に関して議論が行われている最中であると述べた。

インドネシア政府は2017年1月、政令2017年第1号を制定し、その中で、製錬所の建設など、一定の条件を満たした鉱山会社に最長5年間の精鉱輸出を認めている。政府は6か月毎に国内製錬所建設の状況を監査し、進捗状況によっては輸出許可が取消される可能性もある。同規則では、低品位ニッケル鉱石及び洗浄済みボーキサイトの輸出も容認されており、そのためには品位と国内製錬所のキャパシティを満たす必要がある。

2017年3月6日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月09日 アジア ニッケル

インドネシア:9か所のニッケル製錬所プロジェクトが中断

2017年3月6日付地元メディアによると、インドネシア国内で建設中のニッケル製錬所のうち9か所が、建設を中断している。低品位ニッケル鉱石輸出許可を規定した政令2017年第1号に係る実施細則の制定を待っているため。

インドネシア精製錬工業協会副会長Jonathan Handojo氏によると、これから制定される実施細則が投資にとって良い前兆となるかどうかを見極める必要がある。政令2017年第1号が制定されて以降、いくつかの製錬所建設計画において、ニッケル鉱石の調達が困難になってきている。

一方、Handojo氏が明らかにした9か所の製錬所プロジェクトは、以下のとおり:PT Macika Mineral Industri、PT Sulawesi Mining Investment、PT Blackspace、PT Jinchuan、PT Transon、Bumindo Resources、PT Wan Xiang、PT Megah Surya Pertiwi、PT Haudi Nickel。

2017年3月6日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月09日 アジア その他

フィリピン:Lopez環境天然資源大臣の任命委員会が5月3日に延期

2017年3月7日付地元メディアによると、Lopez環境天然資源大臣の承認が延期され、2017年5月3日に再設定された。

Lopez大臣は地元メディアの取材に対し、任命委員長であるManny Pacquiao議員に対し、3月10日より国外に出るため委員会での証言と議論に十分な時間が取れないとして、承認委員会の日程変更を依頼した。

Lopez大臣の承認委員会の延期は今回で3回目となる。Lopez大臣はかつて任命委員会の承認を得ることができず、Duterte大統領に環境天然資源大臣として再任命されていた。

一方、フィリピン鉱業協会(COMP)は今回の延期決定に関し疑問を呈しており、5月3日では日程が離れすぎており、国会休会前に委員会を開催すべきであると主張している。

2017年3月6日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月08日 中南米

ペルー:Cerro Verde鉱山、2017年3月10日からストライキの可能性

2017年3月3~6日付け地元紙によると、Freeport-McMoRan社ほかが操業するCerro Verde鉱山(Arequipa州)を経営するSociedad Minera Cerro Verde社は、「労働条件の改善や利益配当、現行の労使協定の履行」を要求する同社労働組合から、交渉不調の場合、3月10日からストライキを開始する旨通達を受けたことを明らかにした。ストライキ期間は5日間の模様。

本件に関して、Tamayoエネルギー鉱山大臣は、3月10日までに労使合意が達成され、ストライキが回避されることを望むとのコメントを行った。

同鉱山の2016年の銅生産量は498,950tだった。

2017年3月6日 リマ 迫田昌敏

2017年3月08日 オセアニア リチウム

豪:Altura Mining社、WA州Pilgangooraリチウム鉱山の操業計画を州政府が承認

2017年2月27日、リチウムを対象とするAltura Mining社は、権益100%を保有するWA州Pilgangooraリチウム鉱山の操業計画(project management plan)が州政府により承認されたことを発表した。同社は同年2月22日に採掘方法及び閉山計画についても州政府の承認を得ており、同鉱山を操業するために必要な許認可が全て得られた状態となった。

同社は2月末からリチウム鉱床の開発・操業を実施するNRW Holdings社の動員を開始し、鉱山の建設準備に取り掛かっている。鉱山開発費用は1億3,970万A$が必要とされおり、同社は開発資金を確保してから同鉱山の最終的な開発実施の判断を行う予定である。現在の計画では、3月中旬から鉱山施設・プラントの建設工事を開始し、2017年10~12月四半期に精鉱プラントの試験運転を開始し、2018年初旬に精鉱の出荷を開始する予定である。

2017年3月6日 シドニー 矢島太郎

2017年3月08日 オセアニア リチウム

豪:Kidman Resources社、WA州Earl Greyリチウム鉱床に隣接する2つの鉱区を購入

2017年2月28日、Kidman Resources社(Kidman社)は、100%の権益を所有するWA州Earl Greyリチウム鉱床の東側に隣接するWestern Areas社の2つの探鉱鉱区を購入したことを発表した。Kidman社はMt Holland金鉱山を含むエリアの探鉱鉱区を取得し、2016年7月にEarl Grey金鉱床下部のEarl Greyペグマタイト中に顕著なリチウムの鉱化作用を発見した。同ペグマタイト中にはリチウムの鉱化(最大1.75%Li2O)が85.7mにわたって認められ、リチウム鉱床が東側に隣接する鉱区に延長することが期待されている。

Kidman社は購入の対価としてWestern Areas社に対して600万A$相当のKidman社株及び将来生産されるリチウムから得られる収入の1.5%をロイヤルティとして支払う。さらに、Kidman社は今後2つの鉱区からJORC規定に準じて算出される鉱石埋蔵量に対して150A$/tの費用をWestern Areas社に支払う。Kidman社はさらにWestern Areas社の他の鉱区についても、リチウムに関する権利を取得するための協議を実施している。

2017年3月6日 シドニー 矢島太郎

2017年3月08日 オセアニア 亜鉛

豪:MMG Limited社、閉山したQLD州Century亜鉛鉱山を閉山処理実施企業に譲渡

2017年2月28日、MMG Limited社(MMG社)は2015年末に採掘を完了したQLD州Century亜鉛鉱山及び関連施設を同鉱山の閉山処理を実施しているCentury Mine Rehabilitation Project社(CMRP社)に譲渡することに合意したことを発表した。CMRP社は鉱山の原状復旧処理を行うCentury Bull社の子会社であり、Century Bull社はAttila Resources社とJVを実施し、同鉱山の尾鉱から亜鉛の回収を行うことで原状復旧工事費用を取得するとともに、同鉱山の原状復旧工事もあわせて実施する。Attila Resources社は3年間で1,000万A$の費用を拠出することにより、CMRP社の70%の株式を獲得する。Century Bull社は2%のロイヤルティを得る。

MMG社は原状復旧のためにQLD州に対して10年間にわたって拠出を約束している1億9,370万A$の費用についてCentury Bull社のために銀行への債務保証を行い、さらに3年間に合計3,450万A$の原状復旧費用の拠出も行う。さらに、MMG社はCentury Bull社を支援するための1,210万A$の特別基金を設立し、Century Bull社が地域の先住民との問題解決のために活用できるようにする。Century Bull社は尾鉱からの亜鉛回収と原状復旧工事を実施することにより、先住民に職業や職業訓練の機会を提供し、MMG社が構築した先住民との良好な関係を維持する。QLD州資源協会はMMG社が選択した原状復旧手段を高く評価するコメントを発表している。

2017年3月6日 シドニー 矢島太郎

2017年3月08日 オセアニア スカンジウム、コバルト

豪:Australian Mines社、QLD州Sconiスカンジウム―コバルトプロジェクトの環境ライセンスを取得

2017年3月2日、スカンジウムを対象とするAustralian Mines社が、QLD州のSconiスカンジウム―コバルトプロジェクトの採掘・鉱石処理に関する環境ライセンスをQLD州政府から付与されたことを発表した。同社は採掘権も既に認可されているため、同プロジェクトの鉱山開発・採掘を行うために必要なライセンスや認可が全て揃った状態となった。

同社はMetallica Minerals社とQLD州のSconiプロジェクトのJVを実施しており、今後4年内に1,000万A$を拠出して詳細なFS(DFS)を完成することで50%の権益を取得できる。さらに、DFS完成後18ヵ月以内に鉱山開発費用を提供する投資者を確保した場合、さらに25%の権益が得られる。

Sconiプロジェクトは、プレFSが既に完了しており、スカンジウム68t/y、コバルト700t/y、ニッケル5,250t/yを20年間にわたり生産可能との結果が得られている。現在、DFSを実施中であり、2020年からの生産開始が目標とされている。

2017年3月6日 シドニー 矢島太郎

2017年3月08日 オセアニア アルミニウム

豪:Rio Tinto、電力価格高騰でQLD州Boyneアルミニウム製錬所の人員・生産量を削減

2017年3月3日、地元各紙はRio TintoがQLD州で操業するBoyneアルミニウム製錬所が電力価格高騰のため、100名以上の人員削減と年間8万tのアルミニウムの生産量削減を計画していることを報じた。電力価格交渉で電力会社と合意できないためと同社は説明している。同社は2017年1月に同製錬所の生産量を8%削減し、30名を解雇する計画を発表していたが、電力価格の高騰により、当初の計画でも利益が得られない状況となった。

同製錬所は年間58万4,000tのアルミニウムを生産する能力を有し、約1,000名を雇用している。今回行う人員・生産量削減により、生産量の14%、人員の10%が削減されることになる。同製錬所の2016年の収益は1,200万US$と前年の4,000万US$から大きく減少している。

同製錬所はグラッドストン発電所から85%分の電力を2029年まで定額で購入する契約を締結しているが、残り15%は市場から確保する必要がある。QLD州の電力価格は96A$/MWhと豪州国内でSA州の104A$/MWhに次いで高い水準にあり、同社は低価格で電力を購入することは非常に難しい状況と説明している。

2017年3月6日 シドニー 矢島太郎

2017年3月07日 中南米 銅、金

ペルー:Condor Resources社、Soledad銅金プロジェクト売却へ

2017年2月24日、Condor Resources社(本社バンクーバー)は、Soledad銅金プロジェクト(Ancash州)の権益100%売却へ向けて、Chakana Resources社(本社ペルー)とMOUを締結したことを明らかにした。

MOUによると、Chakana Resources社は、45日間のデューデリジェンス期間後に包括契約を締結し、4、5年以内に12,500mのボーリング調査と合計5.4百万US$の支払いにより、NSRロイヤルティ2%の条件で、同プロジェクトの100%権益を獲得することができる。同プロジェクトのターゲットは、Soledad Central、FaroおよびCima Blancaと名付けられた3つのポーフィリーシステム。

2016年に実施された予備的なボーリング調査結果によると、地表から掘進長119m間でAu 1.30g/t、Ag 27.1g/t、Cu 0.32%(SDH-013孔)、地表から掘進長164m間でAu 0.42g/t、Ag 70.0g/t、Cu 0.13%(SDH-014孔)、地表から掘進長490m間でAu 0.74g/t、Ag 30.3g/t、Cu 0.39%(SDH-016孔)などの着鉱が認められている。

同プロジェクトをめぐっては、Condor Resources社とJV探鉱を実施していたMinera Casapalca社(本社ペルー)が、2017年1月に撤退したばかりである。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 金、銅

ペルー:Auryn Resources社、Sombrero金銅プロジェクトで高品位金鉱化帯発見

2017年2月24日、Auryn Resources社(本社バンクーバー)が、Sombrero金銅プロジェクト(Ayacucho州)で高品位金鉱化帯を発見したと発表した。

同社プレスリリースによると、トレンチ調査において、53m間でAu 1.75g/tの鉱化作用を確認したという。同プロジェクトは、2016年7月、同社が、100%の権益を持っていたAlturas Minerals社(本社トロント)から獲得し、探査活動を開始したばかりだった。同社では、この発見はプロジェクト南部の限られたエリアでのことで、2017年第2四半期には本格的な探鉱を開始する予定だと述べている。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米

ペルー:Aruntani社、リマ市内に金精錬所を建設

2017年2月27日付け地元紙各紙によると、Aruntani Group社(本社ペルー)のGuido Del Castillo創業者兼社長は、同社が操業する4つの金鉱山や他企業産金鉱石の精錬を目的とした金精錬所をLima市内Santa Anita地区に建設中であることを明らかにした。

精錬所は、3百万US$の投資により2017年中に完成し、年間7t生産から開始すること、将来的には年間10tの生産を行うこと、また、現在ペルーには存在しないロンドン地金市場協会(London Bullion Market Association)のGood Delivery認定を受けたいとの意向を示した。さらに同社は、現在Utunsa金プロジェクト(Cusco州)で鉱山建設中であり、2017年中に操業を開始して、Tucari金鉱山(Moquegua州)の資源枯渇を相殺する見通しとなっていることを明らかにした。

同社は2016年に207,000oz(約6.4t)の金を生産したが、2017年は、Andres鉱山(Puno州)、Apumayo鉱山(Ayacucho州)、Anama鉱山(Apurimac州)、Utunsaプロジェクトの4鉱山の操業により約250,000oz(約7.8t)の金生産が見込まれている。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 銀、金、鉛、亜鉛

ペルー:Caylloma鉱山、鉱量更新

2017年2月27日、Fortuna Silver Mines社(本社バンクーバー)が、Caylloma鉱山(Arequipa州)の鉱量を2016年末時点に更新した。

同社プレスリリースによると、確定+推定鉱石埋蔵量は1,596千t(Ag 109g/t、Au 0.28g/t、Pb 2.39%、Zn 3.24%)、精測+概測鉱物資源量は2,014千t(Ag 87g/t、Au 0.34g/t、Pb 1.21%、Zn 2.31%)、予測鉱物資源量は3,003千t(Ag 128g/t、Au 0.69g/t、Pb 1.67%、Zn 2.96%)。

2015年末時点と比較すると、鉱石埋蔵量が19%減、銀埋蔵量が28%減、銀品位が10%減、鉛品位が16%減、亜鉛品位が9%減となっており、これらは採掘の進展とAnimas NE脈の地質学的解釈の変更によるものとされている。同鉱山における2017年のブラウンフィールド探鉱予算は3.9百万US$で、22,000mのボーリングが予定されている。また、予測鉱物資源量を精測~概測グレードに更新する2017年のインフィルボーリング予算は1.2百万US$で、12,600mが予定されている。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米

ペルー:Mina Justa銅プロジェクト、FSは2017年に完了見込み

2017年2月28日~3月1日付け地元紙各紙によると、Minsur社のKruger代表取締役は、Mina Justa銅プロジェクト(Ica州)のFSが2017年内に完了する見通しであるほか、同年末の鉱山建設開始を見据えて詳細エンジニアリング設計を並行して実施している旨明らかにした。

同プロジェクトの資本支出は1,300~1,500百万US$が想定されている。16年間とされるマインライフの初期5年間に年産銅15万tを生産し、その後減産して合計1,448千tの銅を産出する計画である。2020年の生産開始を目標にして、2017年末に鉱山建設開始を見込んでいる。

また、同代表取締役は、本プロジェクトのEIAは既に承認されているが、新たな環境基準が発表される見通しから、EIAを一部修正する可能性がある旨明らかにした。新たな環境基準が発表されることについて、同代表取締役は、現在のペルー鉱業では世界最高水準の環境基準が適用されており、各鉱山企業は今後も同様の基準を遵守したいとの意向を持っているが、あくまでも基準は技術的に裏付けられた数値であるべきだとの考えを示した。

他方、内閣に社会争議、地方分権、国土整備に特化した新たな機関が設立されたことについて、政府が社会争議に対し真摯に取り組もうとする明確なメッセージであると評価した。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

ペルー:2016年の国内探鉱投資額、4年連続減の429.2百万US$

2017年3月1日付け地元紙が、SNL社データを引用して報じるところによると、2016年のペルー国内探鉱投資額は、4年連続減の429.2百万US$となった模様である。

報道によると、世界全体の探鉱投資額も4年連続減の7,200百万US$で、ペルーへの投資額は、このうち6.0%を占め、第6位にランクされている。ペルーへの投資額が直近ピークだったのは、2012年の1,025百万US$で、以後、2013年に683百万US$、2014年に559百万US$、2015年に502百万US$と減少傾向が続いているものの、世界全体の投資額の減少幅が21.7%だったのに対し、ペルーの同減少幅は14.5%にとどまっている。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米

ペルー:Quellaveco銅プロジェクト、2018年建設開始を検討中

2017年3月1日付け地元紙によると、Quellaveco銅プロジェクト(Moquegua州)を推進するペルーAnglo American社CEOのLuis Marchese氏は、同プロジェクトについて、2018年半ば以降の建設開始を検討中であることを明らかにしたうえ、同プロジェクトの今後の展開は経済状況次第だが、銅市況の回復を信じていると述べた。

同プロジェクトについて、2016年9月、同社関係者は、建設開始時期は未定だが、鉱山建設期間は4年間、マインライフは30年間で、粗鉱処理量は127,000tpdとなる見通しを示していた。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 金、銅

ペルー:Newmont社、Yanacocha金鉱山の銅硫化物鉱床開発でパートナーを募集

2017年3月1日付け地元紙によると、Yanacocha金鉱山(Cajamarca州)を操業するNewmont Mining社(本社米国デンバー、同鉱山権益は51.35%)のGary Goldberg CEOが、同鉱山の銅硫化物鉱床開発において、Buenaventura社(本社リマ、同鉱山権益は43.65%)に続くパートナーを募集していると述べたと報じた。

同社は、同鉱山のQuecher Main金酸化鉱鉱床について、2017年後半から2018年に開発決定をすると述べたばかりで、同鉱山のマインライフを2025年まで延長するためのこのプロジェクトには、275~325百万US$の投資と年産金量約200,000oz(約6.2t)の生産が見込まれている。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米

ペルー:Niñobamba銀プロジェクト、探鉱作業開始

2017年3月1日付け地元紙によると、Niñobamba銀プロジェクト(Ayacucho州)の権益を所有するRio Silver社(本社トロント)とJVパートナーであるMagellan Gold社(本社米国Reno)は、探鉱作業を開始したことを明らかにした。

2017年のボーリング調査のターゲットは、Niñobamba NorteゾーンとNiñobamba Surゾーンになると同社は述べている。Magellan Gold社は、同プロジェクトへの2百万US$投資により、権益50%獲得のオプションを有している。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米

ペルー:Volcan社の酸化銀処理プラント、道路封鎖解除で操業再開

2017年3月1日付け地元紙によると、Volcan社(本社リマ)は、2015年6月に運転を開始した酸化銀処理プラント(Pasco州)が、アクセス道路の封鎖のため、2週間にわたり操業を中止していた問題に関し、道路封鎖を実施していたRancasコミュニティと多目的共同サービス会社ECOSERM Rancasと合意に達し、封鎖が解除され、操業が再開されたことを明らかにした。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

ペルー:Alturas Minerals社、Huajoto多金属プロジェクトから撤退

2017年3月1日付け地元紙によると、Alturas Minerals社(本社トロント)は、Huajoto多金属プロジェクト(Huancavelica州)から撤退する。

同社は、ブラジルVotorantim社傘下のMilpo社(本社リマ)に権益80%を売却し、同プロジェクトはMilpo社が権益を100%保有することになる。両社の契約によると、Alturas Minerals社は、Milpo社に対し、合計2百万US$支払いによって同プロジェクト権益80%獲得のオプションを3年間与える見返りとして、Milpo社は、3年間のスコーピング調査の実施を約束した。Alturas Minerals社は同プロジェクトについて、大規模な高硫化型金銀鉱床に発展する可能性を秘めていると考えていた。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

ペルー:政府、社会争議対策を担当する副大臣ポストを設置

2017年3月1日付け地元紙によると、ペルー政府は、大統領府(Presidencia del Consejo de Ministros)の下に、最高政令Decreto Supremo 022-2017を発令することにより、領土ガバナンス(Gobernanza territorial)担当副大臣ポストを設置する。

同副大臣ポストは、地方分権(Descentralización)、社会マネージメントと対話(Gestión Social y Diálogo)、領土設定と管理(Demarcación y Organización Territorial)の3事務局を担当する。新副大臣には、弁護士Javier Fernández Concha Stucker氏が任命された。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米

ペルー:投資促進庁、Michiquillay銅プロジェクト開発企業を2017年上半期に決定の見通し

2017年3月2日付け地元紙によると、投資促進庁(Proinversion)のQuijandria長官は、Milpo社(本社リマ、ブラジルVotorantim社傘下)が参入の意向を表明しているMichiquillay銅プロジェクト(Cajamarca州)を、今後数週間以内に「公益に資する重要案件」として指定する見通しを明らかにした。

Milpo社は2015年半ばに自立型民間主導(IPA)方式による本プロジェクトの開発提案書をProinversionに提出しているが、「公益に資する重要案件」の指定実施から90日間は、競合他社に対してもMilpo社を上回る提案を行うチャンスが与えられる。同長官は、これらのプロセスを含めて2017年上半期にもプロジェクトの開発企業が決定される可能性を示した。同プロジェクトの入札をめぐっては、2017年1月、同長官が2017年下半期に実施すると述べたが、これを前倒しする形となる。

同プロジェクトには開発段階第1フェーズに1,000百万US$以上が投資され、年間200,000tの銅生産が行われると見込まれている。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

ペルー:環境省、新たな大気・水質排出基準を公表の見通し

2017年3月2日付け地元紙によると、Galarza環境大臣は、3月10日に新たな水質基準案、3月17日に大気環境基準案を公表する旨明らかにした。

なお3月10日には、清算手続き中のDoe Run Peru社のLa Oroya精錬所とCobriza鉱山の入札が行われる予定となっており、Tamayoエネルギー鉱山大臣は、新たな環境基準の存在は、投資家にとってより明確な判断材料の増加を意味しており、入札にはプラスとなるとの見解を示した。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米

ペルー:2017年の国内年間金生産量は前年レベルと予測

2017年3月2日付け地元紙によると、ペルーにおける大手銀行Scotiabank(本社カナダ)は、ペルーの2017年の年間金生産量は、2016年の約4.92百万oz(約153t)とほぼ同じレベルになると予測した。

Newmont Mining社(本社デンバー)のYanacocha鉱山(Cajamarca州)とBarrick Gold社(本社カナダトロント)のLagunas Norte鉱山(La Libertad州)での生産量の低下を、Buenaventura社(本社リマ)のTambomayo金プロジェクト(Arequipa州)の操業開始が補うだろうと見込まれている。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

ペルー:2016年国内鉱業投資額、前年比43.5%減

2017年3月2日付け地元紙は、エネルギー鉱山省発表のデータを引用する形で、2016年国内鉱業投資額が前年比43.5%減の4,251百万US$にとどまったことを報じた。

鉱業投資額は、直近ピークの2013年の9,924百万US$から、2014年8,873百万US$、2015年7,525百万US$と、4年連続の減少となった。2016年の投資内訳は、プラント設備234百万US$(前年比47.5%減)、鉱業設備386百万US$(前年比40.9%減)、探鉱373百万US$(前年比29.1%減)、開発工事933百万US$(前年比17.5%増)、インフラ整備1,075百万US$(前年比12.4%減)、準備349百万US$(前年比6.9%減)、その他900百万US$(前年比75.0%減)。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

ペルー:Milpo社、2016年決算報告

2017年3月3日付け地元紙によると、Votorantim社(本社ブラジル)傘下のMilpo社(本社リマ)が、2016年第4四半期の決算を公表し、金属価格の上昇と、鉛と銀の生産増により、2016年通年の利益は、前年の36.2百万US$から約4倍の142百万US$となったことを報告した。2016年の売上高は715百万US$で、前年の626百万US$に比べ、14%増となった。

同社は、隣接するEl Porvenir鉱山とAtacocha鉱山の操業を統合するとともに、18,000tpdだったCerro Lindo鉱山の粗鉱処理能力を20,000tpdに増強し、キャッシュコストを前年比1%減の32.90US$/tに削減した。また、2016年の設備投資額は、前年の107百万US$から約26%減の79百万US$となった。

2016年の鉛精鉱生産量は前年比11%増の50,165t、銀生産量は9%増の8.32百万oz(約259t)、銅生産量は3%増の41,552tとなった一方、亜鉛生産量は4%減の258,673tだった。同社は主にVotorantim社のCajamarquilla製錬所、トレーダーのGlencore、Trafigura Beheer社、Louis Dreyfus社に生産物を販売している。一方、同社傘下の亜鉛生産者Atacocha社は、2015年の22.5百万US$の赤字から一転、2016年は544千US$の黒字を計上した。Atacocha社の2016年の売上高は、2015年の73.8百万US$から97百万US$に増加した。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 亜鉛

ペルー:国内亜鉛生産企業の2016年業績

2017年3月3日付け地元紙によると、このたび報告されたペルー国内の主要な亜鉛生産企業の2016年業績は、前年比、各社おおむね増益となった。

ブラジルVotorantim Metais社傘下のMilpo社は、金属価格の上昇と、鉛と銀の生産増により、2016年通年利益は、前年の36.2百万US$から約4倍の142百万US$となったことを報告した。売上高は715百万US$で、前年同期の626百万US$に比べ14%増となった。

Bresciaグループの亜鉛生産会社であるMinera Raura社は、2016年の売上高が、前年の89.6百万US$から126百万US$へ増加し、2016年純利益は、前年の3.28百万US$の損失から、18.9百万US$の黒字となった。

Sierra Metals社のMinera Coronaユニットは、2016年の売上高が前年の80.1百万US$から97.3百万US$に増加し、2016年通年利益は、前年の7.5百万US$から、17.2百万US$へ増加した。

San Ignacio de Morococha(Simsa)社は、2016年の売上高が、前年同期の88.5百万ソーレスから171百万ソーレス(約50.3百万US$)に増加し、2016年の利益は、前年の28百万ソーレスの損失から57.2百万ソーレス(約16.8百万US$)の利益を計上した。

三井金属鉱業子会社Minera Santa Luisa社は、2016年の売上高が前年の129百万ソーレスから155百万ソーレス(約45.6百万US$)に増加し、前年の11.9百万ソーレスの損失に対し、24.3百万ソーレス(約7.15百万US$)の純利益を計上した。

Glencoreの亜鉛・鉛ユニットPerubar社は、売上高が24百万US$から19.3百万US$に減少し、前年の2.6百万US$の損失から224千US$の損失に、損失幅が縮小した。

2014年1月、高い操業コストのためにSan Genaro鉱山を閉鎖した亜鉛・鉛・銅生産者Castrovirreyna社は、2016年の業績を報告しなかった。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

ペルー:Minsur社、2017年の鉱業投資額157百万US$

2017年3月3日付け地元紙によると、Minsur社(本社リマ)は、2017年、ペルーとブラジルに保有する鉱業プロジェクトに合計157百万US$を投じる。San Rafael錫鉱山(Puno州)に対しては30~40百万US$を投資し、このうち約22百万US$は廃さいダムの拡張工事に使われる。また、リーチングパッドの拡張を予定しているPucamarca金鉱山(Tacna州)には、最大25百万US$が割り当てられる見込み。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 金、銀

ペルー:La Victoria金銀プロジェクトにCott Oil and Gas社参入

2017年3月3日、Eloro Resources社(本社トロント)は、La Victoria金銀プロジェクト(Ancash州)について、Cott Oil and Gas社(本社豪州)が、2018年7月31日までに5百万C$(約3.73百万US$)支払うことを条件に、同プロジェクトの25%権益を取得するLOIを締結したことを明らかにした。

Cott Oil and Gas社は、2016年下半期に石油とガスの権益を売却し、以来、鉱物資源部門に軸足を移しつつある。同社会長のStephen Dennis氏は、2015年までの8年間、銀・鉛・亜鉛生産企業CBH Resources社(本社豪州)のマネージングディレクター兼CEOを務めていた。

2017年3月3日 リマ 迫田昌敏

2017年3月07日 中南米 その他

メキシコ:2016年Fresnillo社の最終利益、対前年比6倍を超える増益

2016年3月1日付け地元紙によると、Fresnillo社は、2016年最終利益が生産量増、金属市況の回復、ペソ安により、対前年比6倍超となる425百万US$(2015年69.4百万US$)となった。

同社は、メキシコ国内に6つの鉱山を保有し金、銀を生産しており、2016年の生産量は、銀が対前年比7.1%増の50.3百万oz(約1,565t)、金が22.8%増の935,513oz(約29t)となり過去最高の生産量を記録した。また、2016年末以降、記録的なペソ安が続いており、ペソ安は、メキシコ鉱山の生産コストを一部引き下げており、同社の2016年の資本的支出額は対前年比8%減の434.1百万US$となった。

2017年3月5日 メキシコ 森元英樹

2017年3月07日 中南米

メキシコ:Jalisco州El Pilon鉱山において銀強奪事件発生

2017年2月28日付け地元紙によると、メキシコの検察当局は、麻薬組織による支配が及ぶメキシコ西部の鉱山から1.4tを超える銀が強奪された旨発表した。

関係筋によると、28日の午後3時頃、顔を隠した複数の犯行メンバーがJalisco州のEl Pilon鉱山の保管室に入り込み、25㎏インゴット(延べ棒)57本を運び出した。被害総額は838,000US$(18.29US$/oz)に上る。同州は、メキシコ経済の重要な拠点である一方、「ハリスコ新世代カルテル」の拠点となっており、麻薬密売、原油強奪、誘拐、恐喝等の犯罪が多く発生する州となっている。

2017年3月5日 メキシコ 森元英樹

2017年3月07日 中南米 その他

メキシコ:Fresnillo社、2017年はコスト・インフレになる可能性を示唆

2017年2月28日付地元紙によると、Fresnillo社は2年間、コスト・デフレが続いていたが、2017年はインフレとなると予測している。同社は、ペソ安に加え、燃料費、電力料金が安値で推移したことから、同社の生産コストは2016年に8.41%、2015年に8.08%のデフレとなった。

一方、同社は現状のペソ安を諸手を挙げて歓迎していない。政府の補助金制度廃止が燃料費を押し上げており、また、各国の制度を踏まえた料金制度の見直しにより、電力料金は上昇傾向を示すこととなる。その結果、2017年の生産コストは少なくとも5%上昇し、また、2017年のCapex(Capital Expenditure)は2016年の434百万US$から800百万US$に上昇すると予測している。800百万US$のうち532百万US$は維持管理費であり、Fresnillo鉱山、Herradura鉱山、Ciénega鉱山、Noche Buena鉱山の機械部品の交換等により維持管理費は2016年比倍増となる。その他、San Juliánプロジェクト(Chihuahua州/Durango州)の完成工事費40百万US$、硫化鉱プラント設備費74百万US$、Centauro鉱山(Sonora州)第2プラント建設工事費60百万US$といった予算が計上されている。

Fresnillo社は、2018銀生産量65百万oz超えを目標としており、銀生産量は2020年に78百万ozまで上昇すると見込まれている。また、金生産量は2016年に既に2018年生産目標750,000ozをクリアーしており、2017年は870,000~900,000ozを生産する計画である。

2017年3月5日 メキシコ 佐藤すみれ

2017年3月07日 中南米 その他

メキシコ:Frisco社2016年第4四半期の最終損益、赤字となる

2017年2月27日付け地元紙は、Minera Frisco社の2016年第4四半期の最終損益は、為替差損の発生により2015年同期に続く赤字を計上した。2016年第4四半期の赤字額は2015年同期の赤字額1,360百万ペソを上回る1,939百万ペソとなり、為替差損は247百万ペソから1,431百万ペソにまで拡大し、支払利息は236百万ペソから287百万ペソに上昇している。

2016年第4四半期の生産量は前年同期比、鉛5,750t(8%増)、金87,710oz(8%減)、銀2.28百万oz(6%減)、銅精鉱3,947t(0.2%減)、亜鉛16,297t(10.8%減)、銅カソードは特に顕著な減少を示し682t(42%減)と鉛を除き生産量が減少したものの、金属価格上昇、ペソ安の影響により総売上高は3,470百万ペソから3,568百万ペソに上昇した。

なお、2016年の同社の売上高は前年の13,611百万ペソから13,859百万ペソに増加しているが、為替差損は3,001百万から4,310百万に、支払利息は988百万から1,055百万に増加した結果、決算では4,285百万ペソの純損失を計上することとなり、純損失額は2015年の3,769百万ペソから拡大している。

2017年3月5日 メキシコ 佐藤すみれ

2017年3月07日 中南米 その他

メキシコ:加Endeavour Silver社、メキシコ鉱山への投資を継続

2017年3月2日付け業界紙によると、加Endeavour Silver社(本社:バンクーバー)は、2017年、メキシコの鉱山への投資継続とコスト上昇を明らかにした。2016年第4四半期の全維持コスト(AISC)は、前年同期比16%増の20.11US$/ozへ高騰したが、2016年通年では12.43US$/ozであった。同社関係者は、2016年第4四半期のAISCの高騰は、金属市況が不安定な状況下でコスト削減に向けた投資を促進したためである。また、2017年のAISCは、2016年より2US$/oz高い14.50~15.50US$/ozを見込むと説明している。

さらに、同社は将来の生産を促進させるためEl Cubo鉱山、Bolañitos鉱山及びGuanaceví鉱山の拡張を行う予定であり、また、同社幹部は、メキシコのTerronea、El Compas及びParrarの3件のプロジェクトは、今後3年以内に生産を開始する可能性があると述べた。

2017年3月5日 メキシコ 森元英樹

2017年3月07日 中南米 その他

メキシコ:議会、新たな水関連法令について鉱業部門の意見を聞く

2017年3月1日付け業界紙によると、メキシコ議会の飲料水・衛生・水資源合同委員会は、新たな水の法律について議論するためメキシコ鉱業会議所(Camimex)の代表と会合の場を持った。

Camimex関係者からは、鉱山企業は鉱山操業に使用する水はリサイクルを進めており、処理水の使用について可能な限り約束している旨発言し、続けて、幾つかの提案を示した。提案内容は、排水処理プラント建設の奨励策、新しい水の使用を減らすため排水等の供給環境の整備等である。加えて、水利に係る手続要件の透明性確保を要求した。なお、業界は水利権の期間の短縮に懸念を有している。一方、議会側は、将来の持続可能な水利用を保障するため、税制優遇措置を含めたインセンティブの検討を財務公債省(SHCP)に要請した。また、水資源委員会長は、我々は合意形成プロセスを正確に進め、産業界や国民のニーズを満たす必要があると強調した。

現在メキシコ政府は、水に関する現行法の改正をはじめ、新たな水の総合法を整備する必要があると考えており、民営化、石油・天然ガス・シエール開発のためのフラッキング利用等、議論は広範囲に及ぶ可能性がある。

2017年3月5日 メキシコ 森元英樹

2017年3月07日 アジア

インドネシア:Freeport Indonesia社がGrasberg鉱山の操業計画を見直し

2017年3月2日付地元メディアによると、PT Freeport Indonesia社(PTFI)はインドネシアにおける鉱山活動の計画を永続的に見直している。インドネシア政府との契約上の紛争に伴い、従前の事業活動に復帰することはないと見越している。

PTFIは、銅精鉱輸出延長のため、鉱業活動に係るライセンスを従来の鉱業事業契約(COW)から特別鉱業事業許可(IUPK)に変更する必要があり、政府と折衝を続けているが、膠着状態に陥っている。同社は、インドネシア政府の規則を一方的であり、COWの趣旨を破壊するものとして、IUPKへの変更に反対の立場を唱えている。そのため、2017年1月12日より銅精鉱の輸出が途絶えている。

PTFI広報担当者Riza Pratama氏によると、同社は操業計画の変更と紛争解決の準備を進めており、修正されたGrasberg鉱山操業計画では、銅精鉱生産量を1百万t/年とし、これはGresik製錬所の精鉱受入能力と同じとされる。山元での鉱石生産に換算すると95,000t/日となるという。また、PTFIは労働者の整理も明らかにしており、2月中旬には10%の鉱山労働者の解雇を実施している。

エネルギー鉱物資源省鉱物石炭総局長のBambang Gatot Ariyono氏は、PTFIとの交渉は現在継続中であるとしながらも、同社はインドネシアの法律を遵守する必要があると強調した。Bambang氏は「政策に不明確な部分があるというなら、なぜ(同業他社の)Amman社は不平を申し立てていないのか。事態を困難にしているのはPTFIのほうである」と非難した。

2017年3月2日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月07日 アジア その他

インドネシア:政府がFreeport Indonesia社株式取得のために資金スキームを準備

2017年3月3日付地元メディアによると、インドネシア政府高官はPT Freeport Indonesia社(PTFI)の株式を取得するために資金スキームを準備する予定であると述べたという。株式取得には、持株会社を設立する計画。

現在インドネシア政府とPTFIは、現行の鉱業事業契約(COW)を新鉱業規則に合わせるために折衝を重ねている。PTFIは、1991年に締結したCOWは現在も有効であり、その趣旨を尊重すべきであると主張している。インドネシア政府は、同社のCOWを特別鉱業事業許可に変更するとともに51%までの株式売却を求めている。

国営企業省鉱業・戦略工業・メディア関係局のFajar Sampurno局長代理は、同省が財務省及びエネルギー鉱物資源省に書簡を送付し、PTFIの株式取得のスキームについて議論を進める予定であることを認めた。もし政府が国営企業省に対し本件の取り扱いを命じたならば、同省はPTFI株式価値の評価を独立評価会社に委託する予定である。

2017年3月3日 ジャカルタ 山本耕次

2017年3月03日 欧州・CIS その他

ロシア:Rosgeologia社、2017年に金資源量2,500tを計上へ

2017年2月17日付の地元報道等によると、Rosgeologia社は、現行契約に基づく地質調査の結果、2017年に、金資源量2,500t超、レアアース資源量・埋蔵量450万t、ニオブ資源量・埋蔵量200万tを計上する予定である。これは世界的にみても大きな量である。資源量の大幅増加が見込まれるのは、亜鉛(639万t)、銅(175万t)、銀(8,950t)などである。

2017年3月1日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月03日 欧州・CIS 銅、ニッケル

ロシア:Zapolyarny鉱山の鉱石年産能力200万tに拡大へ

2017年2月17日付の地元報道等によると、Norilsk Nickel社の2025年までの生産・技術発展戦略の一環として行われるNorilsk-1鉱床(Zapolyarny鉱山)開発プロジェクトは、国家審査総局(Glavgosekspertiza)からの承認を受けた。

現在、Norilsk-1鉱床では露天・坑内採掘が行われているが、2020年までに、ノリリスク市の居住区域から4㎞に位置するZapolyarny鉱山の割当区画内に4つのスタートアップ施設を建設することで、Norilsk-1鉱床ライセンス鉱区内の生産能力拡大が可能になる。

国家審査総局が承認した計画では、配水管、送電線の建設、鉱石・加工材料・バルク材料の貯蔵施設の建設、主要変電所の改修と新規建設、Tsentralny廃石集積場の拡張、岩石の一時集積場の設置が予定されている。また、Norilsk選鉱プラント向け鉱石輸送のために貯蔵施設へのアクセス路が建設され、Zapolyarny鉱山の銅・ニッケル硫化鉱の年産能力は200万tに拡大する。

当該プロジェクトは、Norilsk Nickel社の自己資金により実施される。

2017年3月1日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月03日 欧州・CIS その他

ロシア:北朝鮮からの鉱石輸入をストップする可能性

2017年2月22日付の地元報道等によると、ロシア外務省は、北朝鮮に対する制裁を強化する大統領令の草案を作成した。これは、2017年2月12日のミサイル発射実験を受けて採択された国連安全保障理事会決議に基づくものである。

大統領令草案には、北朝鮮からの銅、ニッケル、銀、亜鉛の輸入禁止及びロシア領内の移送禁止が盛り込まれている。ただし、北朝鮮からの石炭及び鉄鉱石の購入については、制裁リストに含まれているか核開発プログラムに関係している個人又は法人が当該取引に関与していない場合は例外扱いとなる。

2017年3月1日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月03日 欧州・CIS その他

ウズベキスタン:地下資源分野への外国投資誘致促進へ

2017年2月20日付の地元報道等によると、ウズベキスタンでは、戦略的に重要な固体鉱物鉱床の地質調査及び開発に対する外国投資誘致計画の検討が開始された。大統領決定「戦略的に重要な固体鉱物鉱床の地質調査及び開発に対する外国投資誘致促進措置」の草案がウェブサイト(https://regulation.gov.uz/ru/documents/1290)に発表されており、2017年3月半ばには署名される見通しである。

内閣は1ヵ月以内に、外国投資家を地質調査及び開発に誘致する基準を認定し、潜在的外国投資家に提供するため有望区画及び鉱床のリストを作成することが求められている。同リストは、地質調査による新規地質情報の取得状況を踏まえ、5年以下の間隔で更新される。

2017年3月1日 モスクワ 黒須利彦

2017年3月02日 中南米

メキシコ:加Torex Gold社、El Limón-Guajes鉱山、デモの影響で操業停止が続く

2017年2月23日付地元紙によると、加Torex Gold社が保有するEl Limón-Guajes鉱山(Guerrero州)の生産活動は未だ停止状態にある。同鉱山は2016年4月に操業を開始したが、今回の騒動で10日間生産を中断している。同社関係者は、「地元コミュニティとの関係は良好だが、鉱山周辺住民の全てに鉱山の利益が分配されていないと主張しデモを行っている者は利益分配を要求している。Torex Gold社の目標は地元の公共事業の改善であり、業務妨害(デモ)を行う者も後に同事業の恩恵を享受できる」旨述べている。

同鉱山の2016年金生産量は279,937oz、2017年中には1日あたりの鉱石処理量が14,000tに達する予定であり、その結果、2017年の同鉱山の金生産量は350,000~380,000ozにまで拡大すると予想されている。

2017年2月28日 メキシコ 佐藤すみれ

2017年3月02日 中南米

メキシコ:加Timmins Gold社、Ana Paulaプロジェクトの探鉱データを発表

2017年2月23日付地元紙によると、加Timmins Gold社(本社:バンクーバー)は、同社が100%権益を保有するAna Paulaプロジェクト(Guerrero州)のボーリング調査結果を明らかにした。2016年10月~2017年1月末にかけて同鉱山では34孔のボーリング調査が行われており、同調査の総掘削長は7,903mに達している。ボーリング調査結果では、地表から48.4m地点で12.16g/t、151m地点で8.98g/tの金の鉱化作用を捕捉した。

なお、同鉱山のプレFS調査(金市況条件:1,200US$/oz)では、内部収益率(IRR)が43%、税引後NPV(正味現在価値)が248百万US$と推計されており、同鉱山の商業生産開始は2019年第4四半期を予定している。

2017年2月28日 メキシコ 佐藤すみれ

2017年3月02日 中南米 銀、金

メキシコ:米Hecla Mining社保有のSan Sebastián鉱山、同社の収益性を大きく改善させる

2017年2月24日付け業界紙によると、2016年の米Hecla Mining社の収益性は、同社がメキシコに保有するSan Sebastián鉱山の生産開始により大きく改善した。2016年同社売上額は646百万US$となり2015年の444百万US$から上昇し、2016年純利益は69.5百万US$となり、87百万US$の損出を計上した2015年から大きく改善した。

なお、San Sebastián鉱山の2017年の生産量は銀3.0~3.4百万oz、金21,000~25,000ozと見込まれており、全維持コスト(AISC)は2US$/ozと予想されている。

2017年2月28日 メキシコ 森元英樹

2017年3月02日 中南米 その他

メキシコ:Mario Alfonso鉱山次官、Metates多金属プロジェクトの進展に期待

2017年2月27日付け地元紙によると、Mario Alfonso Cantú Suárez経済省鉱山次官は、金属価格の上昇、金属企業の開発促進と鉱山部門には明るい兆しが見えてきており、Durango州は、メキシコの金、銀生産第1位の州として鉱業分野での存在感を高めている。Trump米大統領就任以降、米国との貿易問題、自由貿易協定の不透明感が増しているが、鉱物市況、市場には影響がない。加Chesapeake Gold社(本社:バンクーバー)がDurango州に保有するMetates多金属プロジェクトの進展に期待をしているとコメントした。

なお、最新の調査結果では、同プロジェクトの投資額は3,200百万US$を上回り、世界最大級の鉱山となる可能性があり、同社はパートナー企業を模索している。

2017年2月28日 メキシコ 森元英樹

2017年3月02日 北米 その他

加:BC州鉱物探査協会、2017年の州政府予算編成を歓迎

2017年2月21日、加BC州鉱物探査協会(Association for Mineral Exploration British Columbia:AME-BC)は、2月22日に上程されるブリティッシュ・コロンビア州の2017年度予算の支持を表明した。

発表では2017年12月31日までのBCフロースルー株税額控除の延長、BC州鉱業探査税額控除の拡大、BC州地質調査所への10mC$の投資といった鉱業支援政策が掲げられており、AME-BC取締役会会長のダイアン・ニコルソン氏は「鉱物資源探査への投資は回復の兆しを見せており、BC州は世界規模の競争力を有しており、特に長期的な視野を必要とする初期案件を育成することが重要である。BC州政府は鉱業が政府及び地域社会に多大な貢献をしていることを認識しており、今回、税額控除の延長と拡大が確約されたことに感謝する」と述べた。

2017年2月28日 バンクーバー 杉崎真幸

2017年3月02日 北米

加:Gold Corp社、今後5年間の経営計画を発表

2017年2月21日のメディア報道によれば、加金鉱山大手のGoldcorp Inc.社は2017年以降5年間の中期経営計画を発表し、年間生産量の20%増加、生産コストの20%削減、非中核資産の売却といった目標を明らかにした。

生産量の増加及び管理費の削減については、自社の保有する7つの金鉱山のうち、アルゼンチンのCerro Negro鉱山、加QC州のÉléonore鉱山、メキシコのPenasquito鉱山、加ON州のMusselwhite鉱山で設備増強を行うとともに、ON州Bordenプロジェクト(2019年開山予定)及びYK州Coffeeプロジェクト(2020年末開山予定)の操業開始により、生産量は現在の2.5mozから3mozに増加し、生産コストは850US$/tから700US$/tに減少する見通し。

2017年2月28日 バンクーバー 杉崎真幸

2017年3月01日 中南米

メキシコ:First Majestic Silver社、銀増産に向けた投資を促進

2017年2月22日付け業界紙によると、First Majestic Silver社は、同社がメキシコに保有する鉱山からの生産量増加に向けた投資を促進する。2017年の生産量は、2016年並みを見込んでいるが、設備投資、探鉱費を増加させ2018~2020年には生産量が増加する見込みである。同社は、メキシコに6つの銀鉱山を保有しており、2017年の投資額は2016年比40%増の129百万US$、生産量は、11.1~12.4百万oz(2016年:11.9百万oz)の予定である。

2017年2月26日 メキシコ 森元英樹

2017年3月01日 中南米

メキシコ:加Alamos Gold社Mulatos金鉱山のLa Yaqui鉱床、2017年第2四半期から生産開始

2017年2月23日付け業界紙によると、加Alamos Gold社(本社:トロント)は、今後、同社がメキシコに保有するMulatos鉱山(Sonora州)のLa Yaqui鉱床からの生産開始の恩恵を受け収益が大幅に改善すると報じている。同社は、メキシコ、カナダに鉱山を保有しており、同社鉱山の全維持コスト(AISC)は7%低下し940US$/oz、資本支出(CAPEX)は12%低下する見込みである。

また、本年、同社はLa Yaqui鉱床開発向けに約12百万US$を投じる予定であり、同鉱床からの生産開始は第2四半期の予定である。なお、同鉱床のあるMulatos鉱山の2017年AISCは765US$/oz(2016年:815US$/oz)に低下する見込みであり、2018年、同コストは更に低下する。

2017年2月26日 メキシコ 森元英樹

2017年3月01日 中南米 その他

メキシコ:加Primero Mining社保有のSan Dimas鉱山、多くの問題に直面

2017年2月21日付け業界紙は、加Primero Mining社が労組のストライキ行使による操業停止を含めた問題に直面していると報じている。同社がDurango州に保有するSan Dimas鉱山は、鉱山労働者の給与問題を含め、税務、安全基準等の課題を抱えており、メキシコにおける最も低コストの金鉱山から最も高コストの鉱山となった。

  • ストライキ
    同鉱山の労働組合関係者である約1,000人のメキシコ全国鉱夫・冶金・鉄鋼労組員(SNJHTMMSSRM)は、本年の労働協調契約に係る労使交渉決裂に伴いストライキ権を行使し、同鉱山の操業は一時停止を余儀なくされた。Primero Mining社は、同鉱山の収益性を取り戻す目的で鉱山のパフォーマンス強化を進めている。
  • 労働者の欠勤等による高コスト構造化
    ストライキ前同鉱山では、高品位鉱床へのアクセス作業に反発した労働者の欠勤問題が発生し鉱山操業計画を中断していた。これによる生産減がコスト高の問題をもたらした。2016年同鉱山生産量は、2015年金4.7t、銀258tから金2.9t、銀165tへと大幅に減少している。同様に、2016年金換算直接コストは、2015年の570US$/ozから856US$/ozに高騰している。2015年の安全操業不振に対応するために行った岩盤強化策は、2016年の生産とコストに大きな影響を与えた。
  • 税務
    メキシコ国税庁(SAT)は、2012年、Primero Mining社と同鉱山に係る鉱業税の納税に関する事前合意(APA)を締結していたが、SATは合意時の銀価格4US$/ozと現在の市況18US$/ozと大きな乖離があるため、現在の銀市況に応じた課税を行うべきであるとして、同社に対しAPAを取り消す申し入れを行った。このため、同社は、合意中止を求めるSATの申し出に関する調停等の作業を進めている。
  • 財務的影響
    同鉱山の高コスト化が与える純損失に加え、2016年第3四半期に実施した10百万US$の労働者への賞与支払いは、同社の流動資産に大きな打撃となっている。さらに、2016年5月に満了した回転信用枠(50百万US$)返済が同社の株式に影響を与えており、上場廃止問題(1株、1US$(最小値)以下で取引されている)が続いている。

2017年2月26日 メキシコ 森元英樹

2017年3月01日 中南米 その他

メキシコ:加Great Panther Silver社、Guanajuato鉱山の鉱物資源量を発表

2017年2月21日付け業界紙によると、加Great Panther Silver社(本社:バンクーバー)は、同社がGuanajuato州に保有するGuanajuato鉱山とSan Ignacio鉱山(Guanajuato複合鉱山(GMC))及びEl Horconプロジェクトの資源量を発表した。

GMCの埋蔵量(概算)は15%、資源量は22%増加した。また、El Horconプロジェクトの資源量は26%減少している。2017年、同社の探鉱計画は、総延長34,500mのボーリング調査を行う。具体的にはSan Ignacio鉱山における総延長13,025mの追加ボーリング調査、Guanajuato鉱山における新たな探鉱を行う。

2017年2月26日 メキシコ 森元英樹

2017年3月01日 中南米 その他

メキシコ:Coahuila州議会、鉱業を推進

2017年2月20日付け地元紙は、Coahuila州知事のイニシアチブが第60回同州議会で承認され、新たな組織の権限と目的を具体化したと報じている。

同州知事のイニシアチブにより選定されたメンバーと内務省の合同委員会によりまとめられた意見、エネルギー・鉱業・炭化水素対策、Coahuila州の鉱業推進を司る組織を創設する案が同議会で承認された。この組織は、同州鉱業政策実施支援、同州の鉱業活動の発展を促進するため他の機関もしくは公共団体、連邦及び州、郡との調整等を実施する権限を有する。

2017年2月26日 メキシコ 森元英樹

2017年3月01日 中南米 その他

メキシコ:Zacatecas州環境税に対する動き

2017年2月20日付け地元紙によると、メキシコ政府は、最高裁判所(SCJN)に対しZacatecas州で発生した抗議活動に起因する同州政府が創設した環境税についてアクションを起こしていると報じている。

2017年2月14日、大統領法律顧問は、同税制は、明らかに鉱業に向けられていると考えられ、国の財産である鉱物資源に課す税の創設であり、連邦政府の排他的な権限を侵す可能性があり、同州の財政法の第6条~第36条及び他の新規税金に係る規則についてSCJNに対し審議を申請した。16日現在、同審議には数ヶ月間の期間が必要とされると考えられるが、審議申請の許容をSCJNは通告していない。なお、如何なる税金の制度も無効にするためには、SCJNの11人の判事中少なくとも8人の同意が必要となる。

鉱物抽出プロセスにおける採掘された鉱石の1㎥当たりに課せられる環境修復税は、大気中に排出される二酸化炭素のトン当たり250ペソ、汚染物質により影響を受けた100㎡当たり25ペソ、公共もしくは民間の埋立地に積み上げられた廃棄物100t当たり100ペソの徴収が対象となり、これらの税金により同州は2017年に1,230百万ペソを徴収すると推定されている。

Grupo Mexico社等の鉱山企業の同制度は、20ヶ所の憲法条文に反する項目があるとして、憲法権利保護訴訟(AMPARO)を起こしている。SCJNの判定が下される間、これらの税は効果を有すこととなり、また、同州は、複数の連邦課税の対象である鉱物採掘・抽出に課すものではなく、生態系のバランスと気候変動の一般法律下の権限に基づく税の創設であると説明している。

2017年2月26日 メキシコ 森元英樹

2017年3月01日 中南米 金、銀

メキシコ:Argonaut Gold社、San Juanプロジェクトの鉱業権を取得

2017年2月24日付け業界紙によると、Argonaut Gold社は、Fresnillo社からSan Juanプロジェクトの鉱業権(420ha)を26百万US$(半額は本年12月15日までに支払う契約)で取得すると発表した。

今後、同プロジェクトは、Argonaut Gold社のEl Castillo金・銀プロジェクトの鉱山寿命の改善等に組み込まれることとなる。同プロジェクトはArgonaut Gold社とFresnillo社のJV事業であり、地表権はArgonaut Gold社が保有していた。両社は直近3年間で132本、34,510mのボーリング調査を実施した。Argonaut Gold社は、50~75m地点を中心としたボーリング調査(2百万C$)を計画しており、同結果を踏まえ、El Castilloプロジェクトの資源量等の見直しを実施する予定である。

2017年2月26日 メキシコ 森元英樹

2017年3月01日 欧州・CIS その他

英:LME、2016年通期決算は取引手数料減少により10%減収

2017年2月27日付、LME親会社の香港証券取引所が発表した2016年決算報告によると、2016年度のLMEの収益は前年同期比10%減少の2億100万US$(15億6,000万HK$)となり、主な原因は取引手数料の減少によるものとしている。

取引手数料による収益は前年同期比12%減少しており、1日当たりの金属平均取引量の減少、2015年第3四半期から導入しているマーケットメイキングプログラムでのオンライン取引利用者インセンティブリベートの増加、2016年9月から導入した新料金体制による短期間のキャリー取引の手数料値下げによるものとしている。

また、2016年の1日当たりの全体的な金属平均取引量は8%減少の618,627ロットとなり、香港証券取引所は2015年から続いている厳しい市場状況によるものと説明している。LMEのEBITDAは19%減少したが、これは営業経費が商品展開、中国のコモディティ取引所設立等による戦略的イニシアチブによる社員数増加等により9%増加したことが影響している。

香港証券取引所は、2017年にQianhai市(深圳市)現物金属取引所を設立、金先物取引であるLMEプレシャスを設立する予定であり、2017年4月からは倉庫賃料の上限額を導入することも発表している。

2017年2月27日 ロンドン ザボロフスキ真幸

2017年3月01日 オセアニア その他

豪:BHP Billiton、2016年7~12月半期は大幅な利益増

2017年2月21日、BHP Billitonは2016年7~12月半期報告を発表した。半年間の基礎的利益(underlying profit)は32億400万US$と大幅な増加となった。前年同期は56億6,900万US$の損失を計上していた。また、同期の収益は188億US$となり、前年同期の157億1,000万US$を20%上回った。EBITDAは98億9,600万US$となって前年同期の59億9,400万US$を65%上回った。業績の回復について同社は近年のコア事業への集中と生産性向上への取り組みと、鉄鉱石と石炭価格の上昇が後押しした結果であると説明している。

同社は負債を前年の259億2,100万US$から200億5,700万US$に23%削減し、さらに株主への配当を前年1株当たり16US¢から40US¢に引き上げる。同社の2016年の設備投資・探鉱費用は27億2,700万US$にとどまったが、2017年に56億US$、2018年度に63億US$を投じる計画である。同社は引き続き負債削減を最重要課題とするとコメントしている。

2017年2月27日 シドニー 矢島太郎

2017年3月01日 オセアニア その他

豪:Fortescue Metals Group、2016年7~12月半期の利益が大幅に増加

2017年2月22日、豪州鉄鉱石生産第3位のFortescue Metals Group社(FMG)は2016年7~12月半期報告を公表した。同社の同期の税引き後純利益は12億2,200万US$となって前年同期の3億1,900万US$から283%上回った。また、収益は44億9,200万US$となって前年同期の33億4,400万US$を34%上回った。EBITDAは26億4,500万US$となって前年同期の13億100万US$を103%上回った。

同社は40億US$の負債を17億US$に削減し、さらに株主への配当を前年1株当たり3A¢から20A¢に引き上げる。利益の増加は、採掘から出荷までの生産コスト(C1コスト)の削減及び鉄鉱石価格が前年よりも27%高く推移していることによると同社は説明している。同社は今後も負債を削減することを重視する方針を示している。

2017年2月27日 シドニー 矢島太郎

2017年3月01日 オセアニア その他

豪:Iluka Resources社、2016年の年間決算は赤字に転落

2017年2月22日、豪州ミネラルサンド最大手のIluka Resources社は2016年の年間業績を公表した。同社の2016年の決算は2億2,400万A$の税引き後損失となり、前年の5,350万A$の純利益から赤字に転落した。1億4,070万A$の評価損と、同社鉱山の閉山後の原状復帰費用4,210万A$が業績に影響した。また、ジルコン価格の低迷及び不活発なミネラルサンド市場も業績の悪化に影響した。

同社の2016年のミネラルサンドの年間生産量は100万5,000tであり、前年の115万6,100tより13.1%減少した。ミネラルサンドの販売量は71万5,400tであり、前年の95万800tより24.8%減少した。同社の2016年のミネラルサンドによる収益は7億2,630万A$であり、前年の8億1,980万A$から11.4%減少した。

同社は株主への配当を無配としたため、年間配当は1株当たり3A¢となった。同社の前年の年間配当は1株当たり25A¢だった。同社の負債額は昨年のシエラレオネ・Sierra Rutile鉱山買収等により5億630万A$に膨らんでいる。

2017年2月27日 シドニー 矢島太郎

2017年3月01日 オセアニア その他

豪:OZ Minerals社、SA州大規模停電の影響により2016年の利益が前年よりも減少

2017年2月23日、OZ Minerals社は、2016年の年間報告を公表した。同社の2016年の税引き後利益は1億780万A$となり、前年の1億3,020万A$から17.2%の減少となった。また、収益は8億2,300万A$となって前年の8億7,900万A$を4%下回った。EBITDAは3億7,400万A$となって前年の4億3,500万A$を14%下回った。同社は業績悪化の原因として、2016年9月から10月にかけてSA州で発生した大規模停電により、Prominent Hill銅・金鉱山の生産が15日間停止したことが大きく影響したためと説明している。同社は株主への配当を1株当たり20A¢から14A¢に引き下げる。

現在SA州の電力料金が急激な上昇を続けており、同社は2017年内に電力料金が現在より30%値上がりし、数年後に60%値上がりすると予想している。再生可能エネルギーの導入を推進するSA州には電力供給の不安が伴うため、同社は今後新たに開発する予定のCarapateena銅・金鉱山では自家発電の導入を検討している。

2017年2月27日 シドニー 矢島太郎

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